このお話は、私の5歳上の兄が
当時小学校1年生だった頃のエピソードです。
私と兄は両親が働いていた東京で生まれ
しばらく親子4人で暮らしていました。
しかし兄が7歳の頃祖父が倒れてしまい
長男だった父親が西の方にある実家に帰る形で
父の地元に暮らすことになりました。
当時私は2歳。母は福島生まれで
友達は0人。そんな中
兄がいじめられていることが発覚しました。
パンダ兄 7歳 小学1年生
健吾くん 7歳 パンダ兄と同級生
健吾くんの兄 10歳 小学3年生
健吾兄弟の母 高校教師
佐伯さん:噂好きの40代ご近所さん
成人しているお子さんもいる。
本田さん:パンダ兄と同じクラスに、みゆきちゃん
というお嬢さんがいる。
山本さん:見た目はぶっきらぼうだが
話すと優しい。5歳・7歳・9歳の男の子の母
パンダ兄が、20分も母に何も言わず
そしてさらに10分何も言わず
黙っていたという話。
私は、去年のチビぱんだの
エピソードを思い出した。
この話に関しては、私にとって
結果的に可愛くハッピーな話で
終了したけれど
5歳のチビぱんだには重大で
私に話したくても話せない
強い葛藤と戦っていたのだ
◆
パンダ母
「もう少し詳しく、、
お母さんに話せる?
話すの、苦しい?」
パンダ兄は首を横に振るが
それからまた10分、黙っていて
それから
パンダ兄
「僕が、、悪いんだ。」
パンダ母
「え?どういうこと?」
30分待って出た答えが、これだった。
パンダ兄
「・・・だから、、、
お母さんは誰のことも
怒らないで・・僕が悪いから。」
母は困惑する。
パンダ母
「お兄ちゃんが自分から落ちたの?
誰かに落とされたんじゃない?
お母さん、他の子に
聞いてみてもいい?」
パンダ兄
「そんなこと、しなくていい!」
急に、声を荒らげた。
パンダ母
「でも、こんなの!!
お母さん心配だから!」
パンダ兄
「どうして?僕が自分で落ちたって
言ってるのに?」
パンダ兄は何か苛立っている。
パンダ母
「だって、普通に歩いてて
自分で落ちるような川なんて
ないでしょ?」
パンダ兄
「もういいんだってば!!!」
パンダ兄は、母親の手を振り解く。
追いかけたかったが、やめた。
今のあの子にしつこく迫っても
心を追い詰めてしまう。
パンダ母
「うぅ・・・」
どうしたらいいんだろう。
わけがわからず、涙が溢れる。
いじめられた、苦しい、悔しい
辛い、悲しいって言ってよ。
何を思ってるか、、
心の声を聞かせてよ、、、
今すぐにでも助けてあげたいし
行動に移したい。
でも本人が何も言わないのに
学校や健吾兄弟母に何か言ったところで
取り合ってもらえるのだろうか。
ひとしきり泣いて、
けれど夕飯の準備をしなければ
うちには病気のおじいちゃんと
2歳のパンダもいる。
先におばあちゃんがキッチンで
食事の下ごしらえを
しておいてくれている。
おじいちゃん(義父)の看病で大変で
孫のことが
大好きなおばあちゃん(義母)には
こんなこと話せない・・・
涙を堪えて夕飯を作り、
ご飯ができたとお兄ちゃんを呼んだら
いつも道り2階から降りてきて
おじいちゃんの隣で
おじいちゃんの好きなテレビ番組を
一緒に見ていた。
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