このお話は、私の5歳上の兄が

当時小学校1年生だった頃のエピソードです。

 

「母親から聞いた、当時のママ友の話 ①」

 

私と兄は両親が働いていた東京で生まれ

しばらく親子4人で暮らしていました。

しかし兄が7歳の頃祖父が倒れてしまい

長男だった父親が西の方にある実家に帰る形で

父の地元に暮らすことになりました。

 

当時私は2歳。母は福島生まれで

友達は0人。そんな中

兄がいじめられていることが発覚しました。

 

パンダ兄 7歳 小学1年生

健吾くん 7歳 パンダ兄と同級生

健吾くんの兄 10歳 小学3年生

健吾兄弟の母 高校教師

 

 

 

パンダ母

「・・・・もう、、いいです。

 

 あとは伊藤先生、、

 学校にお任せしますので

 よろしくお願いします・・・」

 

 

 

この日の話し合いは、

不完全燃焼に終わった。

 

 

 

 

 

パンダ母は車に乗り込んで

1人で泣いた。

 

パンダ兄やまだ2歳の私の前で、

こんな涙は見せたくなかったそうだ。

 

 

それはそうと、、一体これから

どうしたらいいんだろう。

 

うちは田舎なので、

みんな持ち家に住んでいるし

地域の公立小学校に行くのが

当たり前の地域だし

おいそれと子供のために

引っ越して学校を変えるなんてこと

なかなかできる事じゃない。

 

 

家に帰ると義母が

つまり兄にとってはおばあちゃんが

2歳の私を背中に背負い

夕飯の用意をしてくれていて

その近くで義父(おじいちゃん)と

パンダ兄がテレビを見ていて

 

 

テレビでは、相撲をやっている。

パンダ兄はこうして

自分が見たいと思っていなくても

体調の悪いおじいちゃんが

テレビを見ていると

その側にそっと近づいて

一緒にテレビを見ている子供だった。

 

 

けれど昔って、こうだったかもしれない。

 

 

家族で集まって、同じテレビを見て

同じ話題を話す。

 

今はYouTubeだネットなんとかで

好きなものが好きな時に見られるが

自分で選んで見ないからこそ

得られる知識みたいなものって

あったように思う。

 

 

 

ちなみに義両親には、

パンダ兄の学校のことは話していない。

 

孫をとても可愛がってくれる義父母に

心配かけたくなかったのだ。

 

 

 

パンダ母

「ねぇお兄ちゃん、宿題しなくていいの?」

 

 

 

パンダ兄

「うーん、しないとダメかぁ」

 

 

 

パンダ母

「じゃあ2階にカバン取りに行こう」

 

 

 

そう言ってパンダ母は

兄を2階に連れて行った。

 

 

 

 

パンダ母

「ねぇ、お兄ちゃん。

 今日学校どうだった?」

 

 

パンダ兄

「うーん、まぁまぁかな。」

 

 

パンダ母

「嫌な思いしなかった?」

 

 

パンダ兄

「教室にずっといれば、大丈夫だよ。

 あんまり誰とも話さないけどさ。」

 

 

パンダ母

「・・・そっか、、でも

 嫌なことがあったらママにすぐ

 言うんだよ」

 

 

パンダ兄

「うん、わかった。おじいちゃんに

 宿題見てもらってくるね。」

 

 

 

パンダ兄は笑顔だった。

 

 

 

パンダ母

(・・・健吾兄くんさえ

 ちょっかい出してこなければ

 お兄ちゃんのクラス自体は

 平気なのかな・・・・)

 

 

 

 

それからパンダ母はすぐに1階に降りて

おばあちゃんの夕飯の支度を手伝っていた。

 

 

 

 

そこに

 

 

 

 

ピンポーン。

 

 

 

玄関に誰か来た。

 

 

 

 

パンダ母「はーい」

 

 

 

近所の佐伯さん

「回覧板でーす。」

 

 

 

うちはこの時代、地域の連絡事項は

回覧板が回ってきていた。

 

 

 

そこで

 

 

 

近所の佐伯さん

「あら、パンダ母さん。

 

 ・・・なんか、大丈夫?」

 

 

 

観覧版を持ってきた時以外

まだあまり接点のない佐伯さんが

突然そんなことを聞いてきた。

 

この佐伯さん、悪い人ではないが

八方美人で噂好きで、お節介な方。

 

 

 

パンダ母

「・・・大丈夫・・と言いますと・・

 なんか、あったんですか?」

 

 

 

 

近所の佐伯さん

「なんかあったのは

 パンダ母さんでしょー。

 

 さっき近所でちょっと 

 

 

(パンダ母さんが

 学校に乗り込んだらしい)

 

 って、噂になってたわよ。」

 

 

 

 

 

あぁ・・・

 

 

 

そんなこと言うの

あいつしかいない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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