シーズン16  の登場人物

 

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 ダウンダウン

シーズン16−1

 

⚪️ パンダ(私)

仕事で付き合いのある大沢先輩との飲み会で、明日香さんに出会い今回の話を聞くことになる。

 

⚪️ 明日香さん 当時30歳

 今回の相談者。大好きな彼氏とその後結婚。しかしその直後、元婚約者が現れて、彼の本性を知る。

 

⚪️ 恭介 当時31歳

 明日香さんの夫。とても優しい人だと思っていたら、元婚約者に酷い仕打ちを行なっており、浮気相手は複数名いた。

しかしそれから色々あり本当の父親だと思っていた育ての親は、実は自分の父親ではなく、自分は母親が浮気したアキオの子供だと知る。

 

⚪️ 恭介の母親(美代子)

 昔から恭介ばかりを可愛がり、姉の朝子のことはいつも邪険にしていた。姉だからという理由かと思っていたが、その真相は「村田アキオ」という男の存在によって明らかに。

 

⚪️ 恭介の父親→朝子さんの父親

 生まれた時からずっと、何の疑いもなく子供達(恭介と朝子さん)を育ててきたが、恭介が自分の子供じゃないことを知り、美代子との離婚を決意する。

 

⚪️ アキオの奥さん

 夫が浮気者であることはわかっていたが、美代子とは過去に

アルバイト仲間であった。最近その美代子とアキオの間に生まれたのが恭介だとわかるが、妹の酷い裏切りを知り、、、

 

⚪️ アキオの奥さんの妹(奈々)

 姉の夫であるアキオとの間に9歳の蓮くんという子供がいる。

 

⚪️ アキオの奥さんの父

 建設会社の会長。

 

 

 

 

奈々の元夫に

「奈々のことを、これから訴える予定」と

いきなり伝える恭介の母親。

 

伝える順番がぐちゃぐちゃで

自分の都合のいいことしか並べていないが

内容的に間違ってはいないので

ひとまず皆、見守っている。

 

 

    

 

アキオ 現在54歳

 

アキオの子供達

 

第1子・・恭介31歳(母美代子58歳)

アキオが23歳の時、美代子27歳

育ての親はアキオじゃない。

 

第2子…長女21歳(母 現在の奥さん 50歳)

アキオが33歳の時、奥さん29歳

 

  第3子…次女11歳            

アキオが43歳の時、奥さん39歳

 

 第4子…男の子9歳(母 奥さんの妹 46歳)  

アキオが45歳の時、妹さん37歳

育ての親はアキオじゃない。

 

 

 

 

恭介の母

「だってそのお金、奈々さんは彼に

 養育費だって言って 

 もらってたんですってー

 

 意味わかりますかー?」

 

 

 

 

 

奈々の元夫

「・・・・・・・・

 

 養育費・・蓮の、ですか?

 

 ・・・つまり奈々は、

 蓮の養育費を僕からもらってないと

 アキオさんに嘘をついて

 

 もらい続けてたってことですか?」

 

 

 

 

いや、なんかちょっと違う。

 

だってこの説明だけじゃあまさか

自分が我が子と信じて疑わなかった息子が

義兄と嫁との間に出来た子だとは

想像もできるまい。

 

 

 

 

恭介の母

「違いますよ!!

 

 あなたからもらってないとか

 そういう話じゃないんですよ!!

 

 もう、元夫さん鈍いですね。

 だからこんな女に

 騙されるんですよ。」

 

 

 

 

 

 

奈々の元夫

「・・・はい?」

 

 

 

 

 

 

恭介の母

だーかーらー

 蓮くん?ですか?

 

 その子は、あなたとは血が

 繋がってないんですー!

 

 

 アキオさんが養育費

 払ってるってことはー!」

 

 

 

 

 

言った。

 

 

 

 

 

 

 

言ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奈々の元夫

「・・・・・・・・

 

 

 

 

 ・・・・・・・・・・。」

 

 

 

 

 

 

奈々の元夫がフリーズしているので

誰も言葉を発せず

その場が、シーンと静まり返る。

 

 

 

 

 

 

奈々の元夫

「・・・・・・・・・

 

 

 ・・・・・・・・

 

 

 はい?」

 

 

 

 

 

元夫さんは、奈々ではなくて

アキオの奥さんと会長を

ゆっくりと交互に見る。

 

 

 

 

 

 

会長

「私も皆もそのことは、

 今日知ったばかりだ。」

 

 

 

 

 

 

奈々の元夫

「・・・え・・・。。。

 

 

 え?・・・

 

 

 いや、、え?、、、

 

 

 蓮が?え?、、、

 

 

 え、、、、え、、、、」

 

 

 

 

 

困惑しすぎて、突然すぎて

怒るとか泣くとか叫ぶとか

そんなことを、何もしない。

 

 

 

 

 

 

奈々の元夫

「えっ、、え、、、、」

 

 

 

 

両腕を抱きしめて、うろうろと歩き出す。

 

 

 

 

 

 

 

奈々の元夫

「待ってください、、じゃあ、、

 

 いや、そんな、、まさか、、

 

 蓮は、、蓮は奈々と

 

 お義兄さんの・・・あのっ」

 

 

 

 

 

元夫さんの肩が

小さく何度も上がり始める。

 

 

 

 

 

 

アキオの奥さん

「ちょっ、元夫さんっ!大丈夫ですか。

 呼吸を、呼吸を深くしてください。

 

 息を吸って!!」

 

 

 

 

アキオの奥さんが、異変に気付いた。

 

 

過呼吸を起こしかけている。

 

 

 

 

 

 

奈々の元夫

「いやっ、そんな、、

 

 そんなっ・・・っ」

 

 

 

 

アキオの奥さん

「大丈夫です!

 今度は息を吐いて!!

 

 ゆっくり!大きく!!」

 

 

 

 

会長も恭介の父親も咄嗟に立ち上がり

元夫さんの身体が倒れないように

サポートをする。

 

 

 

それをただ、

オロオロして見ているアキオと

まだ背中を向けたままで

キッチンの方で項垂れている奈々。

 

 

そしてそれを見ている恭介の母親。

 

 

 

 

 

奈々の元夫さんは

必死で呼吸を整えようと

アキオの奥さんの言葉に合わせて

息を吐いて、

 

 

その目からは

ボロボロと涙が溢れていた。

 

 

 

 

 

 

 

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