シーズン16 の登場人物
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⚪️ パンダ（私）
仕事で付き合いのある大沢先輩との飲み会で、明日香さんに出会い今回の話を聞くことになる。
⚪️ 明日香さん 当時30歳
今回の相談者。大好きな彼氏とその後結婚。しかしその直後、元婚約者が現れて、彼の本性を知る。
⚪️ 大沢姉妹
姉は明日香さんより3歳年上、独身。明日香さんからだけじゃなく
社内の人たちから好かれている。姉御肌。
⚪️ 恭介 当時31歳
合コンで知り合った明日香さんの夫。とても優しい人だと思っていたら、元婚約者に酷い仕打ちを行なっており、現在もその時の女性と不倫など、浮気相手は複数名。母親が恭介を溺愛していて、なかなかの曲者。
⚪️朝子 恭介の姉。ちょっとややこしそうな人物だが、ところどころ、キーパーソンだったりする。
⚪️ エマさん 恭介の元婚約者 当時29歳
婚約中に恭介に浮気相手がいることがわかり、それから辛いことが続くが、恭介の新たな結婚相手となる明日香さんに、本当のことを伝えにきてくれた。
⚪️ 岩井良美 恭介の不倫相手の美容師
恭介と数年付き合っている。恭介のことを、恭ちゃんと呼ぶ女。仕事もしたいし、子供が好きじゃないので、結婚はしないと言っているが、実は本命の既婚者男性（スガヤ）がいるので、恭介は浮気相手。両親は常識がある人のようだ。
エマさんは、良美から届いた手紙を
読み始めた。
◆
昨日、産婦人科で
手術をしてきました。
私にはもう、何もありません。
こうなってからでは遅いと
分かってはいましたが
今ほどそれを強く感じていることは
ありません。
私はどれだけエマさんや
自分の両親、関わる人たち全てに
酷いことをしてきたのか。
こんな自分が生きてて
良いのでしょうか。
私なんて生きている価値がない。
生きている資格もない
そう思っています。
◆
一旦エマさんが顔を上げて
私は唇を噛む。
私
「…今の後半の文章、
なんでしょうか。
生きていて良いのかなんて
エマさんへの手紙に書いて
自分が傷つけた相手に向かって
問うてみることでしょうか。
これから続く文章の前段だとしても
別に、思うのは自由ですが
どうして謝罪文の中にそんなこと
書いちゃうんでしょうね。」
大沢先輩
「それくらい自分は反省している
ということを
伝えたかったんでしょうけど
なんかモヤモヤしますね。」
私
「いやほんとにね・・
あ、ごめんなさい、途中で遮って。
続けてください。」
エマさんは頷いて再び、
コピー用紙に目線を落とす。
◆
手紙の続き
↓
手術から戻り、これまでのことを
1人振り返っていました。
父親からもそもそも
どうして既婚者ばかりと付き合うのか
と聞かれましたが
恭介さんは出会った当初
既婚者ではありませんでした。
しかし、スガヤさんと付き合いながら
結局この人には自分は選ばれないと
どこかで分かっていたので
その寂しさを埋めるように
会ってしまいました。
奥様たちに恨みがあったとか
そういう気持ちが芽生えたことは
本当にありません。
恭介さんとの会話の流れで、
馬鹿にしたようなセリフを
言ってしまったこともありますが
それも本心ではないです。
とはいえ、エマさんや明日香さん
皆様を傷つけ、悲しませ
怒らせてしまった事実に
変わりはありませんし
エマさんに至っては
取り返しのつかないことをしたと
後悔と自責の念しかありません。
本当に申し訳ございません。
仕事は、
予約の入っている状況もあるので
来月まで続けますが
退職する予定です。
慰謝料は全額、早ければ今月
遅くても来月末までに
振り込ませていただきます。
◆
エマさん
「こんな感じで、
あとは話し合いに関わった人たち
全員の名前を書いていて
お詫び申し上げますと
文章を締めてました。」
エマさんはため息混じりに
読んでいた紙を閉じた。