登場人物 (前職の会社の同期たち)

 

このお話の始まりはこちら。

前の職場の同僚が、調停中だった①

 

パンダ…私。

藤木くん…20代で独立して、すぐにその事業で成功する。

     現在も仕事はとても順調。現在奥さんと離婚調停中。

     2人の子供がいる。

奥さん …ボルボに乗った彼氏と不倫していた。

ZくんとYくん…同期の男子

Aちゃん…同期の女子

 

 

 

奥さんには電話をかけただけで

すぐに喧嘩になるので

本当に疲れてしまう。

 

 

ちゃんと恋愛して

結婚したと思っていた相手が

世界一

理解の出来ない人になった。

 

 

奥さんになる人は、自分が稼ぐから

働かなくていいと思っていたが

実際離婚となると

自分の財産など渡したくない

と思うほど、憎い相手になった。

 

 

もちろん、少しでも家族を守り

家のことをしてくれていたなら

こんな風には思わない。

 

 

けれど、子育てもしない

不倫をしている相手に

どうして多額のお金を

渡さなければいけないんだろう。

 

 

 

こんなの本当に納得がいかない。

 

 

 

奥さんとの電話は

埒が開かないのですぐに切った。

 

そして週末になり

両手に大きなプレゼントの袋を抱え

お義父さんが家に来てくれた。

 

 

 

お義父さん

「どんなものが好きか

 全然わからないから

 友人についてきてもらったよ。

 

 あの玩具屋、すごいなぁ。」

 

 

 

 

目を細めて嬉しそうに

玩具屋さんに行ったことを

話してくれるお義父さん。

 

 

こんなに穏やかに笑う人だったっけ。

 

 

 

藤木くん

「おぉ、すごいですね!

 持ってくるの

 大変だったでしょう!」

 

 

 

お義父さん

「自分で選んで買い物するなんて

 久しぶりだったから

 張り切ってしまってな。」

 

 

 

 

あぁ、そうか。

 

 

今まではずっとお義母さんと娘の

お抱え運転手みたいになっていたから

自分の意見など通らなかったのか。

 

 

って、お義父さんはどれだけ

支配された人生だったんだろう。

 

むしろもう

洗脳状態だったのだろうか。

 

 

お義父さんが早速孫たち2人の前で

プレゼントを開封すると

嬉々としてはしゃぐ孫たち。

 

 

 

お義父さん

「かわいいなぁ、嬉しいなぁ」

 

 

 

 

よく見るとその目には

涙が光っている。

 

 

今後、奥さんとどんな

泥沼な戦いになっても

お義父さんとの付き合いは

ずっと続けていこう。

 

 

藤木くんはそう思った。

 

 

 

 

藤木くん

「お義父さん、、近いうちに僕

 お義母さんとも

 話をしたいと思ってるんですが

 …その時は一緒に

 ついてきてもらえませんか?

 

 多分1人で妻のことを話しても

 全く信じてもらえない気がして・・」

 

 

 

 

お義父さん

「もちろんついていくのはいいけど

 私だって

 信じてもらえるわけじゃないぞ・・」

 

 

 

藤木くん

「そこはもう、、。

 

 でも1度ちゃんと

 弁護士の友人も連れて話さないと

 電話とか、書面だけでは

 何も進まないって思ってるんで・・」

 

 

 

お義父さん

「わかった。私の方も家内とは

 話し合わないといけないし・・

 

 お互い大変だが、

 頑張るしかないな。」

 

 

 

 

藤木くん

「はい。」

 

 

 

すると上の子が

お義父さんのところに来て

 

「じーじ、だいしゅき」

 

 

 

 

ピトッと抱きついた。

 

 

 

 

お義父さん

「じーじもダヨォ。」

 

 

 

優しい目で笑う。

 

 

 

 

その日お義父さんは

藤木くんの家に泊まり

本当に楽しそうに、孫たちの

お風呂や食事の世話をしてくれた。

 

 

おじいさんとお父さん。

 

 

不思議な組み合わせの2人だが

こんな生活もいいのではないかと

藤木くんは思いながら

でもその日は、口には出さなかった。

 

 

 

 

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