登場人物 (前職の会社の同期たち)

 

このお話の始まりはこちら。

前の職場の同僚が、調停中だった①

 

パンダ…私。

藤木くん…20代で独立して、すぐにその事業で成功する。

     現在も仕事はとても順調。現在奥さんと離婚調停中。

     2人の子供がいる。

奥さん …ボルボに乗った彼氏と不倫していた。

ZくんとYくん…同期の男子

Aちゃん…同期の女子

 

 

 

シッターさんが子供たちのことを

引き続き見てくれると

申し出てくれた時

 

 

 

 

ピンポーン。

 

 

 

チャイムが鳴った。

 

 

 

 

藤木くんは小さく気合を入れて

そのドアを開ける。

 

 

 

 

「連れてきたよ。」

 

 

 

 

藤木くん

「あぁ、わざわざありがとう。」

 

 

 

 

その男性は、弁護士だった。

 

 

 

藤木くんは、

ボルボくんに声をかける役割を

探偵ではなく、弁護士に任せた。

 

 

ちなみにその弁護士とは

藤木くんの高校時代の

同級生でもある。

 

 

 

やはりこの辺りが、

経営者でもある藤木くん。

 

ボルボくんに突然声をかけて

怪しまれないように、

そして確実に連れてくるには

弁護士である友人が

適役だと思ったそうだ。

 

 

 

そして

 

 

 

ボルボくん

「あの・・・・

 

 申し訳ありません。」

 

 

 

 

写真で見るよりもガタイがいいその男は

肩を丸めて、頭を下げる。

 

ちゃんと顔つきは

申し訳なさそうな、そんな様子だ。

 

 

 

 

藤木くん

「あぁ、、話は中で聞きます。

 子供が小さいので

 リビングは散らかってますが・・」

 

 

 

藤木くんはあえて、

子供たちのおもちゃなどは片付けず

そのままのリビングに、

ボルボくんを通した。

 

 

 

 

藤木くん

「妻は今、ずっとトイレに逃げてますが

 呼んできます。」

 

 

 

 

 

 

 

 

お手洗いのドアの前で

藤木くんは、スゥーといきを吸い込み

そして、ゆっくりと吐く。

 

 

 

そして、ドアをノックする。

 

 

 

 

藤木くん

「おい、もうチャイムの音も

 声も聞こえたと思うけど

 

 ボルボくん、来たぞ。」

 

 

 

 

奥さん

「・・・・・・」

 

 

 

 

藤木くん

「出てこないなら、

 彼には泊まってもらおうか。

 

 っていうか、トイレ使えなくなると

 俺も困るから、

 これから鍵屋も呼ぼうと思う。」

 

 

 

 

ガチャ。

 

 

 

すぐに扉が開いた。

 

 

 

 

 

奥さん

「ほんっとうにあなたってなんでも

 お金で解決しようとするわね。」

 

 

 

 

藤木くん

「そのお金を、週に5日間

 シッターさんとお義母さんに

 数十万円払い続けて

 

 好きなジムや美容やランチ代と

 不倫に使ったのお前だけどな。」

 

 

 

 

奥さんはそれを無視して

リビングに歩いて行く。

 

 

 

 

奥さん

「・・・・・」

 

 

 

ボルボくんの顔を見て、

怒ったように、

ソファーにどかっと座る。

 

 

 

 

藤木くん

「それで、誰から話す?

 

 まぁ、奥さんからは

 話さないと思うけど。」

 

 

 

 

ボルボくん

「あの、、じゃあ僕が・・・

 

 

 えっと、、ここに来るまでに

 そちらの弁護士の方から聞きましたけど

 ・・・僕は、、

 

 奥さんが結婚してるとか

 子供がいるなんて話、

 

 本当に知らなかったですよ。」

 

 

 

 

藤木くん

「・・・それは、本当か?」

 

 

 

 

藤木くんが、奥さんに尋ねる。

 

 

 

 

奥さん

「・・・・・・・」

 

 

 

 

藤木くん

「ボルボさん。

 

 妻と外泊が出来ないの

 おかしいって思わなかったんですか?」

 

 

 

 

ボルボくん

「普段は看護師として

 夜勤で大変だって聞いてましたし

 

 実家暮らしで、兄夫婦と交互に

 親の介護をしてるから

 泊まりで出かけることはできない。

 

 

 って聞いてました。」

 

 

 

 

藤木くん

「なるほど。

 

 

 俺のことがバレたとしても

 俺は兄で、子供たちは

 俺の子供って言えばいいって

 思ってたんだな。」

 

 

 

 

奥さん

「・・・・・・・・」

 

 

 

必殺、無言。

 

 

 

一体いつまで、

そんなことが通用すると

思っているのだろう。

 

 

 

 

 

 

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