シーズン16  の登場人物

 

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 ダウンダウン

シーズン16−1

 

⚪️ 明日香さん 当時30歳

 今回の相談者。大好きな彼氏とその後結婚。しかしその直後、元婚約者が現れて・・

 

⚪️ 恭介 当時31歳

 合コンで知り合った明日香さんの夫。とても優しい。と思っていたら、元婚約者から衝撃の過去を聞かされる。

 

⚪️  エマさん 恭介の元婚約者 当時29歳

 次々と恭介との過去の話を打ち明ける。

 

⚪️  ヒカリ  エマさんの親友

 1歳になる男の子がいる。


⚪️ 良美 美容師 
 恭介のことを、恭ちゃんと呼ぶ女。仕事もしたいし、子供が好きじゃないので、結婚はしないと言っているが、実は本名の既婚者男性がいるので、恭介は浮気相手。

 

 

 

エマさんがお手洗いで

父親とヒカリさんと話していた時間

合計すると10分には満たないが

それでもお手洗いの時間としては

確かに長すぎた。

 

 

エマさんは、ヒカリとの電話を

スピーカーにして

急いでロビーに向かった。

 

 

 

恭介

「ちょっと、どうしたんだよ。

 心配すぎて、会社の方に

 様子見てきてくださいって

 言っちゃったよ・・」

 

 

 

エマさんを見つけて

恭介が慌てて走ってくる。

 

 

恭介はこういう時、

頭ごなしに怒ったりはしない。

 

それが彼の優しいところだと

ずっと思っていたが

きっとこれは、外だからなのだ。

 

 

 

 

エマさん

「あぁ、うん、、

 待たせてごめんなさい。」

 

 

 

 

恭介

「まぁ良いよ。とにかく、行こう。」

 

 

 

 

恭介がエマさんの

背中に手を当てようとした。

 

 

 

 

その時

 

 

 

 

 

エマさん

「いや、やっぱりごめん。」

 

 

 

 

恭介「え?」

 

 

 

 

 

エマさん

「さっき実はお父さんに一応

 電話してみたの。

 

 そしたら、、、私が帰ってから

 言おうと思ってたらしいけど

 ちょっとお母さんが今日は

 体調悪いみたいなの、、」

 

 

 

 

エマさんは頑張って

咄嗟の嘘を絞り出した。

 

 

 

 

恭介

「えっ、そうなのか?」

 

 

 

 

エマさん

「そうなの・・だから

 ケーキがどうより、それが心配だし

 手伝ってあげたい。

 

 今日は親とは自分のことなんて

 話してる場合じゃないと思うけど

 やっぱり今日は実家に帰る。

 

・・・あなたも一緒に行く?」

 

 

 

 

あなたのことを

話すわけではないよと

アピールを加えて。

 

 

 

 

 

恭介

「いや、、それはいいよ。

 

・・・本当に体調悪いなら

 それは行ってあげたほうが

 いいと思うし・・

 

 でも、こんな

 都合のいいタイミング・・?」

 

 

 

 

エマさん

「都合の良いタイミングって・・・

 

 体調なんて

 都合の良いも悪いも・、、」

 

 

 

 

恭介

「いや、まぁそうなんだけどさ・・

 電話してたんなら

 そのまま話しながら出てきて

 俺の横で話せば良かったのにって

 思ったからさ。

 

 そしたら心配しなかったのに・・

 

 でもわかった。

 じゃあ明日は必ず帰ってきてね。」

 

 

 

エマさん

「…ひとまず、明日連絡する。」

 

 

 

 

恭介

「じゃあ、

 車で駅まで送るよ。」

 

 

 

 

どうしても、車に乗せたいらしい。

 

 

 

 

 

エマさん

「いや、近いからいい。」

 

 

 

恭介

「頑なに、車に乗らないんだな。」

 

 

 

気づいてたか。

 

 

 

 

エマさん

「そういうわけじゃないよ・・

 多分電車の方が

 うちなら早いと思って。」

 

 

 

恭介

「そうかな、でもわかった。

 じゃあ後で連絡するから。」

 

 

 

 

恭介はそう言うと、

やっとエマさんに背中を向けて

エマさんのいる会社を後にした。


 

 

 

 

 


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