早苗の夫、浩輔です。
お義父さんが来てくれて
僕が思っていたことも
聞いてくれましたが、、
この時の早苗、
涙が出てないんです。
僕は、わかってました。
早苗はこういう時、
嘘泣きするんです。
本人は、
泣いてるつもりらしいんですが
鼻だけクズぐずいうだけです。
そのあとお義父さんに
殴られそうになってもです。
それにしても、、
自分の目の前で、
自分の妻と、その不倫相手が
遊びだとか、遊びじゃなかったとか
そんな話をしてるなんて
地獄でしたね。
早苗のその間の表情も
どこか不満げで、
反省している様子がなくて
長い間耳鳴りがして、
途中はなにも聞こえなくて、
早苗が
「私だけが悪いの？
私だけが全部奪われて
不幸になるの？」
と言った時には、
急にハッと我に返って
僕の手が先に出そうでした。
二人きりで話し合ってたら
もしかしたら
危なかったかもしれません。
さらにこの時早苗は、
こうも言いました。
「この人（省吾）だって
断ることもできたんだから
私ばっかり責められても困る。
もっとちゃんとこの人にも
質問してよ。」と。
この場でよくもまぁ
こんなことが言えますよね。
さらには奥さんのことまで
言い出しましたからね。
この時少しでも早苗から
しおらしい言葉が聞けていたら、
まぁ、聞けるわけないですけど
・・・離婚したい気持ちには
変わりはなかったと思いますけど
それでも、
もう少し子供に会わせようかとか、
子供たちの母親としては僕も
この先の早苗の人生について
心配した未来があるかもしれません。
でも、この時の早苗の顔つきは
今でもトラウマ級に
夜寝る前にでも、思い出すんですよ。
こういう時
嫌なことを言う人の顔つきって
本当に、何かに
取り憑かれたような目つきというか
あれは、
いつもの早苗の顔じゃなかった。
お前は誰だよ。
そう思ってました。
でもここから先あそこまで
もっとひどい他の顔が
出てくるなんて、
思いもよりませんでしたけどね。
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