登場人物

●小林成美:5歳の息子さん(ハルキくん)がいる。夫のモラハラに一人悩み、苦しんでいたが、ジェシカさんのホームパーティーで、皆が知ることになる。

●成美さんの両親:娘である成美さんと孫のハルキくんを愛し、なんとか幸せになってもらいたいと願っている。

 

● 小林瑛太:成美さんの夫で、ジェシカのビジネスパートナー。モラハラ男でマザコン、不倫男だった。

●瑛太の母:瑛太の言うことと、自分の考えが絶対の義母。江戸っ子気質の実兄がいる。名前は千代と言う。

●瑛太の父:もう何年も前から、家族とはあまり話をせず、家では自室に引きこもり状態。本当は妻と別れたいとも思っていた。

 

 

 

成美さんは、

ハルキくんの手を引いて

瑛太の元から離れた。

 

 

 

 

成美さん

「ハルキ、本当にパパの家

 行かなくて良かったの?」

 

 

 

ショッピングモールの中を歩きながら、

ハルキくんに聞いた。

 

 

 

ハルキくん

「うん、だって僕、

 うちが好きだから。」

 

 

 

 

ハルキくんにとっての「家」とは

もう、成美さんの両親が暮らす

あの家なのだ。

 

 

 

成美さん

「そっか。じゃあハルキ、

 今から映画でも観に行く?」

 

 

 

ハルキくん

「うーん、

 なんの映画かにもよるかなー。

 帰ってゲームもしたいし。」

 

 

 

成美さん

「ハイハイ。じゃあ

 映画館の方に行ってみますか。」

 

 

 

 

成美さんは笑顔で、

ハルキくんの背中を押した。

 

 

 

 

 

 

 

 

その日、成美さんは

勤める会社の会議室にいた。

 

 

目の前には、面接の時に

採用を決めてくれた、女上司。

 

 

 

成美さんの上司

「成美さん。もし成美さんが

 良かったらなんだけど

 入社3年未満の社員から選ぶ

 うちの、リーダー昇格試験

 受けてみない?」

 

 

 

 

成美さん

「え?・・いや、えっ。

 私が、、ですか??

 

 昇格試験??」

 

 

 

突然のことで、

成美さんは驚きすぎた。

 

 

昇格試験とは、その名の通り

昇格するための試験で

その役職にふさわしい

知識と能力を有しているかを

見極めるための試験だけれど

 

まさか自分にお声がかかるとは

思ってもみなかった。

 

 

 

 

成美さん

「いや、そんな、、私だってまだ

 入って1年目ですし、、

 そこまでは・・」

 

 

 

成美さんの上司

「…成美さんは今の仕事内容

 そのままの方が気楽?

 

 それとも今後もっと

 どんどん出来ることを増やしたい?:

 

 

 

 

成美さん

「それは!私は、、

 

 出来ることがあるなら、

 どんどんやってみたいですけど・・」

 

 

 

 

 

すると女上司が、にっこり笑う。

 

 

 

 

成美さんの上司

「それなら問題ないね。

 

 勤続年数も、うちは関係ない。

 

 あの時私、

 成美さんを選んで良かった。

 

 成美さんがうちに入社してから、

 まずは社内の環境が

 とても綺麗でオシャレになったわ。

 

 成美さんの整理術をお手本に

 社員みんなが真似したでしょ。」

 

 

 

なるほど。

 

成美さんのSNSで

自宅の写真を見たときは

モデルルームかと思ったが

 

あの整理整頓力と

デザインセンスの能力は

今の会社で、思いっきり発揮されたのか。

 

 

 

成美さんの上司

「それに、この1年成美さんは

 シングルマザーになって

 間もない時で、大変だったのに

 どれだけ努力して勉強してくれたか。

 

 私は成美さんみたいな人が

 きちんと評価されて欲しい。

 

 実は私も入職して1年目に

 上司が推薦してくれたんだけどね

 その時は別に、

 肩書きなんか必要ないって

 そう思ってたけど

 

 今は思うの。

 (立場が人を育ててくれる)って。」

 

 

 

成美さんはその言葉に、

背中を押され、昇格試験を受けた。

 

その勉強や論文の制作は

本当に大変だったが、

もう勉強の末、無事に試験もパスした。

 

 

 

 

私が初めて出会った頃の成美さんは

見た目と中身のギャップがあって

成美さんという人がわからなかった。

 

今思えばあの頃はもう、

瑛太に流され、言われるがままで

籠の中の鳥状態だった日々の中では、

本当の自分なんて、自分でも

わからなくなっていただのろう。

 

 

けれど今の彼女は、違う。

 

 

成美さんは確かに、

成美さんの人生を生きている。

 

 

 

 

 

 

 

 

芽衣

「ねぇハルキくん。ハルキくんって、

 昆虫博士なんだって?」

 

 

 

ハルキくん

「博士じゃないし。」

 

 

 

成美さん

「もう、芽衣さんは

 褒めてくれてるんだってばー」

 

 

 

「ワハハハハー。」

 

 

 

 

成美さんとハルキくんと、私と芽衣。

ある日のカフェで4人。
 

 

成美さんは言う。

 

 

ハルキくんの子育ては実際、

楽しいことばかりじゃなくて

綺麗事では

どうにもならないと思う時も

しばしばあるし

 

なんなら自分の母親とも、

考え方の違いで、ぶつかることもある。

 

 

 

けれどあの日、あの家を出て

瑛太と離れることを選択した

自分の人生を、気に入っている。

 

 

まさに今、

立場が自分を、育ててくれていると

実感している。

 

 

 

 

 

 

 

私はふと、ハルキくんに尋ねる。

 

 

 

 

「ねぇハルキくん、

 ママのこと好きぃ?」

 

 

 

 

 

ハルキくん

「そんなの

 当たり前なんだけど。」

 

 

 

 

 

 

芽衣

「ワハハハハー」

 

 

 

 

 

 

 

ハルキくんを見つめる

成美さんのその眼差しが

 

とても優しい午後だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シーズン14 成美さんの芝生

「夫と義母は、モラハラ親子でした。」

 

 

 

 

 

 


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コレまでのシリーズまとめ。

 
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主に載せていきたいと思いますチョキ
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