登場人物
●小林成美：５歳の息子さん（ハルキくん）がいる。夫のモラハラに一人悩み、苦しんでいたが、ジェシカさんのホームパーティーで、皆が知ることになる。
●成美さんの両親：娘である成美さんと孫のハルキくんを愛し、なんとか幸せになってもらいたいと願っている。
● 小林瑛太：成美さんの夫で、ジェシカのビジネスパートナー。モラハラ男でマザコン、不倫男だった。
●瑛太の母：瑛太の言うことと、自分の考えが絶対の義母。江戸っ子気質の実兄がいる。名前は千代と言う。
●瑛太の父：もう何年も前から、家族とはあまり話をせず、家では自室に引きこもり状態。本当は妻と別れたいとも思っていた。
瑛太の不倫が発覚してから
1年以上の歳月が流れたが
ついに瑛太から弁護士を通じて
「ハルキに会いたい」
と、連絡がきた。
成美さんの母
「お母さんは、
会わせるの反対だけどね。」
成美さんの父
「でも、養育費も払ってもらってるし
慰謝料を払い終えたら
会わせるってことは
約束してたわけだから
そこはさすがに突然
話を覆すわけにもいかないだろう。」
成美さんの両親の意見は
真っ二つに割れていた。
ただ成美さんの気持ちは、
1年前とは少し変わっていた。
以前は頑なに
会わせたくないと思っていたけれど
ハルキくんの寝顔を見ると時々
自分の気持ちだけで
会う・会わないを決めるのも
何か違うような気がしていた。
成美さんはある日の夜、
布団に入ったハルキくんに
質問した。
成美さん
「ねぇハルキ。
パパがさ、久しぶりに
遠くから帰ってくるの。」
ハルキくん
「えっ、そうなの？」
成美さん
「うん、、それでさ、、
パパがハルキに
会いたいって言ってるんだけど
そしたらハルキは、
パパに会いたい？」
するとハルキくんは、
ハルキくん
「うん、ママと一緒なら
会いたい。」
大きく喜ぶことも、
戸惑う様子もなく、
キョトンとした表情で言った。
成美さん
「もちろん、ママは最初から
一緒にいるつもりだったけど
・・ちなみにママが一緒じゃないと
会いたくないってこと？」
ハルキくん
「いや、会いたいんだけど
なんか、ママと一緒がいい。」
瑛太と息子を2人にさせるのは
どうしても避けたかったので
こうしてハルキくんが
ママと一緒にと言ってくれて
ホッとした反面
久しぶりに、私も会うのか・・
そう思うと、
かなり複雑な気持ちになっていた。
◆
瑛太と約1年ぶりに会う。
その日を前に成美さんは
久しぶりに瑛太と連絡をとった。
業務連絡のようなやりとり。
それでもなんだか
心臓がバクバクした。
待ち合わせは、お互いの家から
中間地点の駅。
そこの駅の喫茶店。
ソワソワしているのは成美さんで
ハルキくんは心なしか
少し楽しそうではあるが
けれどやはり、冷静な顔つきだ。
ハルキくん
「あっ、パパだ。」
瑛太を見つけると
ハルキくんがその席まで
駆け寄ってゆく。
瑛太
「ハルキー！！
おぉー。おっきくなったなぁ！」
1年ぶりに見た瑛太は
少し髪型が変わったくらいで
ほとんど何も印象が変わらない。
瑛太
「成美、久しぶり！」
明るい。
腹が立つほど明るい。
成美さんは数日前から
自分はどんな顔して会おうか、
瑛太はどんな顔して会うつもりなのか
色々考えていたが
この男は何も
考えていないように見える。
あぁでもこの人は、
こういう人だったよね。
今日はとにかく、ハルキのため。
成美さん
「うん、久しぶり。
元気そうでよかった。」
成美さんは落ち着いて、
そう応えた。
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開設したばかりですが
