登場人物
●小林成美:5歳の息子さん(ハルキくん)がいる。夫のモラハラに一人悩み、苦しんでいたが、ジェシカさんのホームパーティーで、皆が知ることになる。
●成美さんの両親:娘である成美さんと孫のハルキくんを愛し、なんとか幸せになってもらいたいと願っている。
● 小林瑛太:成美さんの夫で、ジェシカのビジネスパートナー。モラハラ男でマザコン、不倫男だった。
●瑛太の母:瑛太の言うことと、自分の考えが絶対の義母。江戸っ子気質の実兄がいる。名前は千代と言う。
●瑛太の父:もう何年も前から、家族とはあまり話をせず、家では自室に引きこもり状態。本当は妻と別れたいとも思っていた。
●太田花子:ジェシカと瑛太と同じ会社で働く、派遣社員の女性。瑛太との不倫を、ホームパーティーで暴露されたが、それでも瑛太への気持ちが断ち切れない。
● 北川:瑛太のもう一人の不倫相手。20代後半。瑛太の会社のCEOの息子の彼女だというが・・
成美さんからの質問を受けて
私は返信に戸惑う。
こういう内容は、
文章だけだと表現が難しく
顔を合わせながら声のトーンや
表情を見て話したい気もするし
(そんなの気にしないでー!)
でもないし、
(うん、遺伝すると思う。)
でもない。
だから
私LINE
「成美さんはこれまでに
ハルキくんを見ていて、
何か不安に感じたこととか、
先生に指摘されたことなどは
あるんですか?」
先に質問してみる。
するとしばらく返信が止まり
20分くらいして、
一気に長文が送られてきた。
成美さんLINE
「いえ、今のところ
先生からの指摘はないんです・・
なんか、特に今言語とか発達に
遅れがあるとかじゃないので・・
ただハルキを見ていると時々
まだ5歳なのに、なんか冷静だったり
モノによりますけど、
集中力がありすぎたり
友達との遊びをさほど
楽しんでいないなって思う時があって
それがいいとか悪いとかじゃなくて
…彼に似てるなって、、、
それを最近まではさほど
深く気にしないようにしてましたけど
…それって多分私がここ数年は
狭い世界の中で生きていたので
わからなかっただけで
今回の件で、彼やお義母さんの
皆さんの前での発言を目の当たりにして・・
(やっぱりこの人たちはおかしい
これは性格的なことじゃなくて、
何かの病気かもしれない)
って思ったら
ハルキのことが、不安になって・・
今、寝顔を見てたら、
すごく苦しくなってきてしまって・・
それで、LINEしちゃいました。
ごめんなさい・・」
成美さんのLINEを読んで、
シーズン13の男を思い出す。
ここは親子でしっかりと
診断名がついた。
私LINE
「成美さん、謝らないでください。
じゃあ、私の率直な想いを書きます。
まず、瑛太とお義母さんは
病名云々は置いといて
おかしいと思います。
むしろ病名がつかないのなら
もうどうしようもないほどの
おかしさです。
でも瑛太の今の性格を形成したのは
遺伝とかそういう話じゃなくて
(あの母親に育てられたから)という
環境の問題が
かなりの比重を占めていると思います。
だからもし今、
成美さんが離婚を決断出来ず、
瑛太と一緒に暮らしていたならば
もしかしたら私は
(ハルキくんのために
環境を変えたほうがいい)って
言ったと思うんです。
でも成美さんはもう、
ちゃんとあの場から抜け出して
素敵なご両親のそばに
いらっしゃるじゃないですか。
パパはママを叱ってばかりだったとか
頭撫でてくれるとか
ハルキくん、ママ思いの
かっこいい5歳です^^」
つまり私も
コメントをくださった皆様と同じ
「環境」が大事だと、思ったのです。
とは言いながらこの文章を送る前に、
私は何度も読み直した。
本気でそう思っているから書いたが
もし成美さんにとっての悩みが
もっと深いところにあって
私の答えが
お気楽に見えたらどうしようとか
色々考えてしまう。
すると、突然電話が鳴った。
成美さんからだった。
成美さん電話
「パンダさん・・うぅ・・
ありがとうございます・・
電話だと迷惑だと思ったから
LINEにしたのに・・
ちゃんと、お礼を言いたくて・・
電話しちゃいました・・うぅ・・
もう、ハルキのことが
心配で心配で・・・」
なんだか、一緒に泣けてきた。
ママ達はいつだって
子供の幸せのために
悩んで悩んで
いっぱい戦ってるんだもの。
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