登場人物
●小林成美：５歳の息子さん（ハルキくん）がいる。夫のモラハラに一人悩み、苦しんでいたが、ジェシカさんのホームパーティーで、皆が知ることになる。
●成美さんの両親：娘である成美さんと孫のハルキくんを愛し、なんとか幸せになってもらいたいと願っている。
● 小林瑛太：成美さんの夫で、ジェシカのビジネスパートナー。モラハラ男でマザコン、不倫男だった。
●瑛太の母：瑛太の言うことと、自分の考えが絶対の義母。江戸っ子気質の実兄がいる。名前は千代と言う。
●瑛太の父：もう何年も前から、家族とはあまり話をせず、家では自室に引きこもり状態。本当は妻と別れたいとも思っていた。
●太田花子：ジェシカと瑛太と同じ会社で働く、派遣社員の女性。瑛太との不倫を、ホームパーティーで暴露されたが、それでも瑛太への気持ちが断ち切れない。
● 北川：瑛太のもう一人の不倫相手。20代後半。瑛太の会社のCEOの息子の彼女だというが・・
弁護士を通じて、
瑛太からの回答は
思っていたより早かったが
早ければいいという問題ではないと
今回の内容を見て、改めて思う。
私LINE
「とりあえず、
面会云々についてはまだ返事しないで
慰謝料の金額を
提示してもらったほうが
良さそうじゃないですか？
今の給与の相場で
ちゃんと出してくるかどうか
そこだけでも彼の気持ちが
ある程度わかりそうですし。」
芽衣LINE
「私もそう思いますよ。
ハルキくんから
（パパに会いたい）って聞いたら
そりゃあ成美さんが
悩むのは当然ですけど
その後急に会わなくなったり
支払いが止まった方がもっと
傷つきますからね…」
成美さんLINE
「そうですよね…
なんか、、もう、、
なんなんでしょうね・・
私やっぱり、
直接話した方がいいんでしょうか・・」
私LINE
「え？直接・・とは・・」
成美さんLINE
「だってもう、、いや、
わかってるんですよ、
弁護士を挟むというのは
そういうことだって・・
でも、どうしてこのやりとりだけで、
この返事を待つだけで・・
こんなに何日もかかりながら
ストレス溜めながら
過ごさないといけないのか・・」
私LINE
「それは・・そうですよね・・」
芽衣LINE
「・・もどかしいですよね・・・」
ホント、異次元の少子化対策より
異次元の養育費対策してくれ。
不倫されて傷ついてる母子が
なんで弁護士費用払って
こっちから「養育費払ってよ」って
戦う姿勢見せなきゃいけないんだよ。
勝手に戦地に行かされて、
意味なく戦って、
傷を負わされるのはなんでだよ。
◆
それから数日後の夕飯時
ハルキくんと成美さん、
そして成美さんの母親が
食卓を囲み、夕飯を食べていた。
成美さんの母
「ハルキー、今日はどうだった？
楽しかった？」
ハルキくん
「うーん。」
最近のお決まりになっていた
この成美さんの母親の問いかけに
ハルキくんが初めて
口を尖らせながら、
複雑な表情を浮かべた。
成美さん
「ん？今日は楽しくなかった？」
ハルキくん
「うーん、、」
成美さん
「ハルキ、どうしたの？」
するとハルキくんは真顔で言った。
ハルキくん
「りょう君がさ、
今度パパときょうりゅう展に行くって。
いいなーって言ったら、
ハルキくんもパパに
連れて行ってもらいなよって。
でもパパ忙しいから
いつも家にいないんだよねって言ったら
そんなにいないなんて
変なのーって言ったよ。」
成美さん
「……」
ハルキくん
「ママ、変じゃないよね！
ハルキもパパと、
きょうりゅう展行きたい！！
ねぇ、パパにちゃんと言ってくれた？
ハルキがパパと遊びたいって！」
成美さん
「うん、、、言ったよ。
でもパパ毎日遠いところで
お仕事頑張ってるから。
だからなかなか会えなくて
ごめんねって言ってたから。」
ハルキくん
「じゃあ電話したらいいじゃん！
ママいつも、電話持ってるじゃん！！
パパと電話しよ！！」
今までほとんど、
パパのことについて
言ってこなかったハルキくん。
この日、お友達の言葉がきっかけで
ついに瑛太への気持ちが
溢れてきてしまった。
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