登場人物
●小林成美：５歳の息子さん（ハルキくん）がいる。夫のモラハラに一人悩み、苦しんでいたが、ジェシカさんのホームパーティーで、皆が知ることになる。
●成美さんの両親：娘である成美さんと孫のハルキくんを愛し、なんとか
幸せになってもらいたいと願っている。
● 小林瑛太：成美さんの夫で、ジェシカのビジネスパートナー。モラハラ男でマザコン、不倫男だった。
●瑛太の母：瑛太の言うことと、自分の考えが絶対の義母。江戸っ子気質
の実兄がいる。
●瑛太の父：もう何年も前から、家族とはあまり話をせず、家では自室に
引きこもり状態。本当は妻と別れたいとも思っていた。
●太田花子：ジェシカと瑛太と同じ会社で働く、派遣社員の女性。瑛太との不倫を、ホームパーティーで暴露されたが、それでも瑛太への気持ちが断ち切れない。
● 北川：瑛太のもう一人の不倫相手。20代後半。瑛太の会社のCEOの息子の彼女だというが・・
成美さんの母も、
もう黙ってはいられなかった。
瑛太の母
「……だって、、、」
普段は穏やかな
成美さんの母親の言葉にも
少し圧倒されたのか
瑛太の母はまた、
言い訳を一旦押し込めて、黙り込む。
よしこさん
「とにかく千代さんは
最後まで人の話を聞くべきね。
成美さん、話してちょうだい。」
成美さん
「…あぁ、はい、、
えぇと、どこから、、
あっ、、あの、、まずは
皆さん、、インスタグラムって
わかりますか？」
よしこさん
「インスタグラム？？
わからないわ。」
兄男さん
「…なんか、携帯とか
パソコンのなんかだろ？」
成美さん
「そんな感じです。」
成美さんは、
携帯を開いて見せる。
瑛太は何度も成美さんを
強い目つきで睨むように見たり、
ため息をついているが
成美さんはなるべく、
そっちの方を見ないようにしていた。
成美さん
「これが、、
私の写真なんですけど、、」
よしこさん
「あら、、、こう見ると、
家族仲良さそうじゃない。」
兄男さん
「まぁ、そうだよな。」
瑛太の母
「でしょ？だから夫婦のことは
他人が口出すことじゃあ」
成美さん
「この写真は！
インスタグラムというのは
このサイトを通じて
他人も見れるんです。」
よしこさん
「あぁ、そういうやつね。
それなら私も聞いたことあるわ。」
話している間に兄男さんが
興味深そうに、
インスタグラムにある他の写真も、
色々眺め始めている。
成美さん
「ここに載っている写真の内容は
全部瑛太さんの指示です。
瑛太さんは、さっきよしこさん達が
おっしゃってくださったように
周りからそう言われるのが
狙いだったと思います。
外から見ると仲良さそうに
素敵な家族に見えるように
演出したかったんです。
でも、この中にいる私は
ほとんど嘘です。」
よしこさん
「え？どういうこと？」
瑛太
「……」
成美さん
「私がこれをお見せしたのは
家族写真を
見てもらいたいからじゃありません。
そうじゃなくて、、
私の結婚生活は、子育てをしながら
瑛太さんの帰りを待ち
ただそれだけなら
幸せな主婦生活かもしれませんが
私は、、指示された通りの1日を
義務のように
こなさなければなりませんでした。」
瑛太の母
「ちょっと成美さん！
義務のようにって、
それはおかしいんじゃない？！
主婦なんだから、それくらい」
兄男さん
「お前、もし次に口挟んだら
ここから追い出すぞ！！」
瑛太の母
「……っ」
一瞬睨みつけるような目で
成美さんを見て、それから黙り込む義母。
兄男さん
「いいから、成美さん、
続けてくれ。」
成美さん
「はい・・
それで、、私はもうそんな
嘘のいい家族アピールに
疲れてしまって、、、
そんな中で何気なく、
出会った人たちに家庭のことを
話せる機会があったんです・・・
それで私、、、やっと、、
自分の環境のおかしさに
気づいていくんですが・・」
成美さんの両親
「……」
成美さん
「気づいた時にはもう
とっくに手遅れで・・・
瑛太さんは、
私の友人や、、
会社の人と
不倫をしてたんです。」
ーーーーーーーー
