登場人物
●小林成美:5歳の息子さん(ハルキくん)がいる。夫のモラハラに一人悩み、苦しんでいたが、ジェシカさんのホームパーティーで、皆が知ることになる。
● 小林瑛太:成美さんの夫で、ジェシカのビジネスパートナー。モラハラ男でマザコン、不倫男だった。
●瑛太の母:瑛太の言うことと、自分の考えが絶対の義母。
●太田花子:ジェシカと瑛太と同じ会社で働く、派遣社員の女性。瑛太との不倫を、ホームパーティーで暴露されたが、それでも瑛太への気持ちが断ち切れない。
● 北川:瑛太のもう一人の不倫相手。20代後半。瑛太の会社のCEOの息子の彼女だというが・・
電話の向こうの瑛太は
優しい声を出す。
とはいえ外での瑛太、
機嫌が良く平常運転での瑛太、
そして成美さんが叱られたあとは、
こういう時が多い。
こうして振り返ってみると
成美さん自身も瑛太がいかに
モラハラ気質だったかわかるが
気づいた時にはもう、
自身がモラハラ男の傍若無人さに
麻痺してしまっていた。
瑛太
「それで、色々あったけど
もう全部1からやり直すから
一緒に、出直さないか?」
成美さん、成美さんの母
「……」
私がこの場に一緒にいたなら
ひとまず一旦、
電話を切ってしまったかもしれない。
瑛太の母のように。
成美さんの母
「あの、一体何を言ってるの?」
黙ってはいられず、
成美さんの母がそう言った。
瑛太
「えっ。あ、あぁ、お母さん
いらしたんですか。」
わかりやすく焦るモラハラ男。
成美さんの母
「今、一緒にリビングにいるの。
主人もそろそろお風呂から
上がってくると思うわ。」
瑛太
「では、後でかけ直します。」
えっ・
いや、まて。
光の速さで、逃げようとしてるな。
成美さんの母
「今後成美が一人で、
あなたの電話に出たり
話し合いを行うことはないから
さっきの続きは、
今してもらって大丈夫よ。
だから聞かせて?
一緒に出直すって、
どういう意味なの?」
瑛太
「いや、、それは、、
最近ちょっと
色々あり過ぎましたんで、、
今より収入も多いところに行くので
仕事を変えて心機一転
家族で前向きに、
やって行けたらいいなと、、
そう思いまして。」
そこへ、お風呂上がりの
成美さんの父親がやってきた。
携帯電話を中心に
難しい顔をしている成美さんたちを見て
空気をすぐに察して
とにかく黙って、成美さんのそばに
腰を下ろした。
成美さんの母
「最近ちょっと色々って、
色々なことの全ての原因は
瑛太さんですよね?
そのことで成美は今、
とても苦しんでいるのに
どうしてあなたはそうやって
悪びれもせず、
ただ環境だけ変えたら
どうにかなると思ってるの?」
瑛太
「いえ、、、その、どうにかなるって、
安易に考えてるわけではなくて
もちろん全部僕のせいですよ。
成美さんには本当に
申し訳ないなと思ってますので
だから心機一転・・」
成美さんの母
「心機一転って、
新しい転職先とか収入とか
そんなことの前に
あなたはもっと向き合うべきことや
成美に言う言葉があると思わない?」
瑛太
「思ってますから、、
それはこれからの僕を
見ていただけたら、、、」
成美さんの母
「これからの僕って、どうして?
今までは??
どうして成美のことを
あなたはこんなに傷つけたの?
今はこうして、私が側にいるから
言い方も気をつけてると思うけど
このまま瑛太さんのところに戻って
生活を始めたら
成美はまたあなたに、
その日の予定を決められて
あなたの納得するSNSをあげて
大量の料理を作る日々が
戻ってくるだけでしょう?
そりゃあ女性関係については
しばらく気を付けるでしょうけど
成美は結局、
同じ生活を強いられるのよね。」
成美さんの代わりに、娘のためにと
母親が瑛太に
言いたいことを言ってくれる。
しかし
瑛太
「…それは、、」
少し間があく。
そして
瑛太
「あっ、そういえば成美
太田さんの件だけど
彼女、
妊娠してなかったから。」
成美さん家族
「……。
…………。」
は?
なんなの?急に
そんなこと今聞いたからって
あっ、そっか、妊娠嘘だったんだー
よかったよかったー
じゃあこれで元どおりー
うふふー、あははー。
って
そうなる妻、おらんやろ。
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