登場人物
●小林成美：５歳の息子さん（ハルキくん）がいる。夫のモラハラに一人悩み、苦しんでいたが、ジェシカさんのホームパーティーで、皆が知ることになる。
● 小林瑛太：成美さんの夫で、ジェシカのビジネスパートナー。モラハラ男でマザコン、不倫男だった。
●太田花子：ジェシカと瑛太と同じ会社で働く、派遣社員の女性。瑛太との不倫を、ホームパーティーで暴露されたが、それでも瑛太への気持ちが断ち切れない。
● 北川：瑛太のもう一人の不倫相手。20代後半。瑛太の会社のCEOの息子の彼女だというが・・
● ジェシカ：瑛太の上司で、芽衣の仕事のパートナー。結婚していて、日本人のご主人と暮らす自宅では、ホームパーティーを開くのが好き。
●ジャック：瑛太が勤める会社（外資系）のCEOの側近で、息子（マーク）とも仲がいい。
会議室の外から
戻ってきたジャックさんが言う。
ジャックさん
「今なら15分くらい
時間があるそうです。
CEOが全員
お部屋でお呼びです。」
ジャックさんの呼びかけに
一瞬でその場の空気がピリついた。
瑛太
「お呼びって、、そんなまさか
僕たちのこんなことくらいで…」
ジャックさん
「こんなこと？」
さっきまで
比較的穏やかだったジャックさんが
瑛太をギロリと睨みつける。
瑛太
「…いや、あの、、わざわざ
CEO直接出てこられて
お手を煩わせるわけには
という意味で…」
ジャックさん
「手を煩わせてるのは
君たちのその態度でしょう？
ああして
社内の防犯カメラに映っていたり
相手が北川さんだったり
太田さんが妊娠していたりして
上がこれ以上、目をつぶれるとでも？」
瑛太
「……それは…」
北川
「あの、、私はちょっと
気分が悪いので、、」
ジャックさん
「一番会わなければいけないのは
君だと思うけど。
逃げる気なんですか？」
北川
「だってこんな、、
急に会うなんてっ」
ジェシカさん
「今会わなくたって
いずれ会わなきゃいけないのよ。
あなたがいないなら
勝手に太田さんや瑛太さんで
話を進めていくことになるけど
それでいいの？」
太田花子
「いいじゃないですか。
逃げたいんですから。
私は彼女がいない方が楽です。
同じ扱いにされるの
心外ですから。」
北川
「はい？私は別に
逃げたいわけじゃないです。」
ジャックさん
「あの、僕が言ったこと
聞いてましたか。
わざわざ時間を取って下さって
15分しかないんですよ。
…もう、行きたくない人はいいので
僕は向かいます。」
ジャックさんがそう言って
会議室を出ると
全員がその後ろをついて行く。
もう本当に、
ウダウダして進まない奴ら。
聞いていてもそうなのだから
ジェシカさんたちは相当な
心労だっただろう。
◆
コンコンコン
「はい。」
ジャックさん
「失礼します。」
その後に続いて、
ジェシカさんやマネージャー
そして瑛太たち3人が
CEOの座る部屋に入る。
瑛太
「……失礼します。」
太田
「し、失礼致します。」
北川
「………失礼いたします……」
CEOは、自分の座席から
3人の顔を順番に
ゆっくりと見つめる。
ジャックさん
「遅くなって、
申し訳ございませんでした。」
CEO
「…とにかく全員そちらに。」
促されて皆、
かなり緊張した面持ちでソファーに座る。
CEO
「それで、君が瑛太くん、
なんだね。」
瑛太
「はっ、はい。そうです。」
CEO
「それじゃあ君にここまでの経緯を
話してもらおうか。」
瑛太
「けっ、経緯、ですか。あの、、」
CEO
「君、僕は時間がないんだよ。
なんで呼び出されたのか
君が一番わかってるんだろう？
張本人なんだから。」
普通のことを言っているのだが
そのオーラと迫力で、
瑛太は相当びびっていたようだ。
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