登場人物
● 芽衣：今回の物語のキーとなる人と私を、出会わせた私（パンダ）の高校時代からの友人。ジェシカとは仕事のパートナー。
●小林成美：ホームパーティーで私に話しかけてきたキラキラ女子。５歳の息子さん（ハルキくん）がいる。しかし、その後私に相談のメールがきて、夫のモラハラを打ち明ける。
● 小林瑛太：成美さんの夫で、ジェシカのビジネスパートナー。モラハラ男でマザコン、不倫男だった。
●太田花子：ジェシカと瑛太と同じ会社で働く、派遣社員の女性。瑛太との不倫を、ホームパーティーで暴露されて・・
● 萌: 成美さんの友達。成美さんが不倫をしていると、私に伝えてきた。ホームパーティーで、徐々に萌の真意がわかってくる。
● ジェシカ：瑛太と同じ会社で働いていて、瑛太の上司にあたる。芽衣の仕事のパートナー。結婚していて、日本人のご主人と暮らす自宅では、ホームパーティーを開くのが好き。
太田花子は
泣き叫びながら言う。
太田花子
「なんで私がそんなこと
言われないといけないんですか！
私だって、被害者なんですよ！！
傷ついてるんですよ！！」
芽衣
「…あの・・
傷ついてるのはわかりますよ。
だって女として
酷いことされてますから。
許せないって思います。
でも、
奥さんである成美さんの
あの話を聞いた後なのに、、
それでも、
自分が被害者って言うのは
違うと思いませんか？」
太田花子
「……だって、、
なんで私ばっかり、、ぅぅ・・」
萌
「…太田さんは瑛太さんと
やっぱりお似合いですよ。
いいじゃないですか。
一度彼と一緒になってみたら。
相手が誰でもあのモラハラが
治るとは思いませんけど。」
芽衣
「…太田さん。冷静になって、
考えてみてください。
本当に自分は被害者だって
心から言ってるんですか？
今この状況だから、
ヤケクソになっていたり
開き直ったりしてるんじゃ
ないんですか？」
太田花子
「……それは…」
芽衣
「もしこの先、冷静になって
今日のことを
いろいろ振り返った後でも
奥さんへの考え方が
今と同じように攻撃的なままなら
少なくとも私は、残念です。」
太田花子
「……」
太田花子は、
しゃくり上げながら泣いている。
芽衣
「太田さんの職場での
発想とかアイデアは、
エネルギーがあっていいって
ジェシカも皆、評価してたんですよ？
だから、、
自分の価値を自分で
下げてしまうような生き方、、
自分のことを
大事にしてくれない男のせいで
太田さん自身の
価値観まで変わってしまうなんて
もったいないんですよ…」
芽衣は、太田花子を
説得したいと言うより
心から伝えたいことを
率直に言葉にしていたと思う。
成美さんから見た太田花子
私から見た、萌から見た、
そして芽衣から見た太田花子
きっとそれぞれの立場から
全員の見え方、思い方は
違うのだろう。
なんだろう、この虚しさは。
太田花子
憎たらしいけど、
そうなんだ。
いい発想やアイデア、
持ってるんだ。
太田花子
「……芽衣さん・・
私だって、、わかってます。
…遊ばれてるなって
思ってました。
不安で不安で、
でもこれで振られたら
自分には何もないなって
瑛太さんは私と別れても
家に帰れば奥さんがいて
居場所があるのに
私は一人ぼっちになる・・
だから、
ある意味仕事を頑張ることが
支えにもなってましたけど
これでもう私、、
何もなくなるじゃないですか…」
太田花子が
顔を覆うようにして泣き出して
さっきまで言いたい放題だった萌も
それを黙って見ていた。
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