登場人物
● 芽衣：今回の物語のキーとなる人と私を、出会わせた私（パンダ）の高校時代からの友人。ジェシカとは仕事のパートナー。
●小林成美：ホームパーティーで私に話しかけてきたキラキラ女子。５歳の息子さん（ハルキくん）がいる。しかし、その後私に相談のメールがきて、夫のモラハラを打ち明ける。
● 小林瑛太：成美さんの夫で、ジェシカのビジネスパートナー。モラハラ男でマザコン、不倫男だった。
●太田花子：ジェシカと瑛太と同じ会社で働く、派遣社員の女性。瑛太との不倫を、ホームパーティーで暴露されて・・
● 萌: 成美さんの友達。成美さんが不倫をしていると、私に伝えてきた。ホームパーティーで、徐々に萌の真意がわかってくる。
● ジェシカ：瑛太と同じ会社で働いていて、瑛太の上司にあたる。芽衣の仕事のパートナー。結婚していて、日本人のご主人と暮らす自宅では、ホームパーティーを開くのが好き。
成美
「どうか、、、
私と別れてください。」
成美さんの目から、大粒の涙が
ハラハラと溢れていた。
言いながら
怖くて、不安で
今だって
その言葉を口にしながら
きっと迷っているかもしれない。
瑛太
「何言ってるんだよ！
こんな大勢の前で
みっともない！」
成美さん
「みっともないのは
あなたが心配してるのは
自分の見え方よね。
自分がみっともなく見えるのが
一番嫌なのよね。」
今まで言いたくて
でも言えなくて
胸にしまっていた言葉たちが
涙と一緒に
とめどなく溢れてくる。
瑛太
「なんなんだ？
これ、みんなグルなのか？
成美がそんなこと言うなんて
誰に惑わされてるんだよ！
だから俺は成美が
下品な友達たちとつるむの
反対してたんだよ！」
あれ。
今日の番外編の男と
同じ人なのかい(￣▽￣)？
それともモラハラ男はもれなく
自分は上流階級にいるのだという
やばたにえん母ちゃんからの
謎の洗脳教育を受けてるのか？
萌
「下品な友達って
一体誰のことですかー？
っていうか成美が
友達とつるむのが嫌なのは
自分の考え以外に染まるのが
怖いからでしょ？
自分に言い返す人
自分の考えとお母さん以外は
ぜーんぶ敵なんだもん。」
萌よ。
不思議と、共感しかない。
萌
「だから私とは
合わなかったんだけどね。」
…‥そのこと忘れてたけど
今はちょっと黙ってて。
成美さん
「私…‥いつの間にか
…自分の考えが
よくわからなくなってたけど
…洗脳って言われたら
そうなんだと思う。」
瑛太
「成美！いいから黙ってろ！」
成美さん
「私が！！！！
私がねっ！うぅ・・・
周りに相談しなかったのは…
相談したら当たり前に
じゃあ別れたらいいって
そう言われるのわかってて…
わかってたから
相談できなかった。
別れたいのに、
別れたらいいって言われるのが
すっごく嫌だった！うぅ・・・」
瑛太
「…‥はぁ？」
成美さんの言葉。
めちゃくちゃなようで、
バラバラなようで
でもその不安定な言葉たちこそが
モラハラ被害者の
心からの悲痛な叫び。
成美さん
「反対されるのがわかってて
相談しないなんて
私が悪い・・うぅ・・
そう、私が悪い。
だから、、、言わない。
言えない。
でも、あなたと一緒に
生活することも、言われることも
すっごく怖くて、辛くて
腹が立って、腹が立って
なんで人に言えないのかすら
考えられなくなって
気づいたらみんなが
私から離れてく。
いや、私がみんなを
遠ざけてる。
それもわかってた・・」
瑛太
「…チっ」
この後に及んで、
舌打ちをする男。
瑛太
「もう話にならない。
実家に帰りたいなら
いいからもう帰れ。
こんな茶番に、
俺のこと巻き込んで。
いい加減にしろよ。」
この男は正真正銘、
本当にクズだった。
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