登場人物
● 芽衣:今回の物語のキーとなる人と私を、出会わせた私(パンダ)の高校時代からの友人。現在ジェシカと2人で、瑛太に探りを入れている。
●小林成美:ホームパーティーで私に話しかけてきたキラキラ女子。5歳の息子さん(ハルキくん)がいる。しかし、その後私に相談のメールがきて、夫のモラハラを打ち明ける。
● 小林瑛太:成美さんの夫で、ジェシカのビジネスパートナー。モラハラ男でマザコン、不倫男だった。
●太田花子:ジェシカと瑛太と同じ会社で働く、派遣社員の女性。瑛太との不倫を、本当はペラペラ人に話したい。
● 萌: 成美さんの友達。成美さんが不倫をしていると、私に伝えてきたが、その真相はまだわからない。
● ジェシカ:瑛太と同じ会社で働いていて、瑛太の上司にあたる。今後しばらくの間、芽衣の仕事のパートナーになる予定。結婚していて、日本人のご主人と仲良く二人暮らし。
瑛太は私に笑顔で近づいてきて
なんとか言ってやりたいと
思っているのだろうけど
私のような気の強い
お気楽アラフォー女に
なんやかんや仕掛けてきても
無理ですよ。
私
「芽衣ー」
私が大きな声を出したので
周りの人たちも同時に振り向いて
しかしながら私は、大声を出しても
声が通らないタイプなので
芽衣が(わたし??)と
自分を指差した。
私は赤べこ首振りスイングをしながら
太田さんもー
と、口パク&手招きしたら
瑛太は呆れたような顔をして
私の側から
スタスタと離れていこうとして
いや、逃げようとして?
そしてなぜかまた一度
私の方に振り向いた。
いや、振り向かれましても
あなたのことなんて
追いかけないですよ、別に。
そもそも勝手にやってきて
私の横に居続けたのは
あなたの方だったので。
そう思って私は、
黙って瑛太に背を向けると
その間に芽衣と太田さんが
私に近づいてきた。
芽衣
「パンダ、さっき瑛太さんと
二人で話してたね。
珍しい組み合わせだわ。」
芽衣の目線が、
私の背後の少し先に移動したので
瑛太がさほど離れていない場所に
いるのはわかった。
私
「うん、なんか瑛太さんが
奥さんのことで色々と
私に聞きたかったみたいで。
ほんっと瑛太さんていつも
成美さんのことすっごく
気にしてるんだねー」
ワハハー。
とか、言ってみたら
太田花子が一生懸命
愛想笑いをを作りながら
平常心を装った風に
太田花子
「へぇ、例えば
どんなことですか?」
とか聞いてきた。
私
「えーっと、
普段私と会ってる時は
どんなこと話してるのかとか
そんな会話からでしたね。」
太田花子
「…そうなんですかー。
ちなみに奥様とは
どんなこと話してるんですか?」
私
「そうですねー。
瑛太さんには常に
女性の影が複数人
居ますよねーっていう話とか?
(ニコニコニコニコ)」
太田花子
「えっ。」
あ。
ちょっと唐突に、ぶっ込みすぎた。
前置き割愛しすぎた。
ま、いっか。
芽衣
「何それー、複数人ってー」
芽衣がしっかり
受け止めてくれるのでラブ。
太田花子
「…なんでそんなこと
わかるんですか?
奥さん、探偵でも
つけてるんですか?」
さっきの愛想笑いも吹き飛んで
太田花子はこわばった表情で
私を見ている。
私
「そんなこと奥さんはしませんよ。
彼女はそういうの
出来るタイプじゃないので。
ご主人の携帯なんかも
見たことないらしいですよ。」
芽衣
「そーなんだー・・
でも、携帯が見れないなら
女の影ってそう簡単に
わからないもんじゃないの?」
私
「そう?奥さんが気づかなくても
お相手が黙ってなければ
周りはわかるもんでしょ。
よく言うじゃない。
社内不倫をしている
カップルがいたとして
周りにバレてないと思ってるのは
本人たちだけー、みたいな。
あ、これは今私が勝手に
社内で例えちゃっただけですよ。
会社のことは
私は知らないので。
ワハハー」
あ。太田花子、全然笑ってない。
太田花子
「会社の方は知らないって…
そしたら他のことは」
すると芽衣が一瞬私に
目配せをして
瑛太
「やぁー、美人3人集まって
何を話してるんですかー?」
やっぱりこの男
口を挟まずにはいられなかったのね。
瑛太よ。
ようこそここへ!
とか聞いて
くっくくっくー♪
と、桜田淳子さんした方も
遊ぼ〜うよパラダーイス♪
と、光GENJIした方も
昭和を愛するあなたにハグ。
知らない方は、
こんなシリアスな話の間に
脱線して昭和の名曲を
うっかり歌う病に陥ってしまう私に
付き合ってくれてハグ。
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