登場人物

● 芽衣:今回の物語のキーとなる人と私を、出会わせた私(パンダ)の高校時代からの友人。現在ジェシカと2人で、瑛太に探りを入れている。

 

●小林成美:ホームパーティーで私に話しかけてきたキラキラ女子。5歳の息子さん(ハルキくん)がいる。しかし、その後私に相談のメールがきて、夫のモラハラを打ち明ける。

 

● 小林瑛太:成美さんの夫で、ジェシカのビジネスパートナー。モラハラ男でマザコン、不倫男だった。

 

●太田花子:ジェシカと瑛太と同じ会社で働く、派遣社員の女性。瑛太との不倫を、本当はペラペラ人に話したい。

 

● 萌: 成美さんの友達。成美さんが不倫をしていると、私に伝えてきたが、その真相はまだわからない。

 

● ジェシカ:瑛太と同じ会社で働いていて、瑛太の上司にあたる。今後しばらくの間、芽衣の仕事のパートナーになる予定。結婚していて、日本人のご主人と仲良く二人暮らし。

 

 

 

話を聞いていると

初対面の時から

 

変だなと思っていた萌の言動の

真意のようなものが

わかってきた。


本当は、

わかりたくもないけれど。

 

 

 

 

「結果的に…太田さんを使って

 瑛太さんのことを

 貶めたいんですね。」

 

 

 

 

「いやなんか、貶めるとか

 そんな怖い言い方されると

 ちょっと引いちゃいますけどー、

 

 でもムカついてはいますよ。

 

 なんで私はこんなに

 傷ついてるのに

 

 自分は家族がいて

 インスタとか見たら

 幸せそうにしちゃって

 

 それで今も他にまた

 新しい女がいるなんて

 許せないじゃないですか。」

 

 

 

 

……それを言っていいのは

成美さんだけだが

 

 

……。

 

 

 

 

えっと。

 

 

 

 

さて考えよう、パンダ。

 

 

 

 

ここで私が、

正論ドーンをやったとして

 

この女の心に

突き刺さるわけがない。

 

 

 

おーまーえーは

アーホーかー。

 

 

と、

のこぎりビョンビョンしたとして

解決には向かわない。

(しようとするな。

 ってか知らない方ごめんなさいー)

 

 

 

だからここは。

 

 

 

 

「そうですね。

 

 それは許せないですね。」

 

 

 

 

 

一回乗っかってみる。

 

だって今日はここで、

萌から話を聞いて終わり、

としたいわけじゃない。

 

 

 

 

「ですよねーーー。

 

 うわー、やっぱり

 パンダさん大人だわー

 わかってるー。」

 

 

 

萌は

とんがりコーンだったお口を

また嬉しそうに上に上げて

私の方をバシバシする。

 

 

 

 

「…でも、太田さんが

 彼と今関係があるなんて

 証拠はないですよね。

 

 だから勝手な妄想で

 疑うのは危ないですよ。」

 

 

 

 

「だからー、それを私が

 確かめるんじゃないですかー。」

 

 

 

 

「確かめて、

 どうするんですか?」

 

 

 

 

「えー、どうしようかなー

 

暴露しちゃいます?

ここで。」

 

 

 

 

 

「あー、、」

 

 

 

 

それだと成美さんも巻き込んで

恥を書いたり

苦しい思いをするのでは?と

少し思ったけれど

 

この先家庭の中で

成美さんが瑛太に問い詰めても

認めなかったり

モラハラが悪化するのなら

もういっそみんなの前の方がいいのか

 

一瞬の間で頭の中を

いろんな気持ちが駆け巡る。

 

 

 

でも、やっぱりこのままでは

帰れない。

 

 

 

 

 

「まぁじゃあ萌さん、

 ひとまず頑張って

 太田さんと話してみてくださいな。

 

 まずはそこからですよねぇ。」

 

 

 

 

「そーでしょそーでしょ。

 

 だから話しかけに行ったのに、

 あの人逃げるからー。」

 

 

 

 

「…あ、それなら。」

 

 

 

 

「?」

 

 

 

「今思いついたんですけど

 

(私実は、瑛太さんと

 付き合ってたんですけど)

 

 

 って言ってみたらどうですか。」

 

 

 

 

なんちゃって、

 

そんなアホなこと

自分からいうやつおらんやろー

 

 

 

 

 

「あ、それもいいですね。」

 

 

 

 

え?言うの?

 

 

 

 

あなたそんなに

やばたにえんの方??

 

 

 

 

この感じもしかして

実は瑛太とのこと

 

成美さんとか周りに、

知らせたいの??

 

 

 

 

やっぱりこの女の考えることは

全然わからない。

 

こう言ったらこう答えるかも

みたいな予想は、

綺麗に裏切られる。

 

だってそんな思考の引き出しが

私にはないんだもの。

 

 

 

そんなわけで、萌は再び

太田花子のところに

近づいて行った。

 

 

 

 

 

 

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