登場人物
● 芽衣:今回の物語のキーとなる人と私を、出会わせた私(パンダ)の高校時代からの友人。現在ジェシカと2人で、瑛太に探りを入れている。
●小林成美:ホームパーティーで私に話しかけてきたキラキラ女子。5歳の息子さん(ハルキくん)がいる。しかし、その後私に相談のメールがきて、夫のモラハラを打ち明ける。
● 小林瑛太:成美さんの夫で、ジェシカのビジネスパートナー。モラハラ男でマザコン、不倫男だった。
●太田花子:ジェシカと瑛太と同じ会社で働く、派遣社員の女性。瑛太との不倫を、本当はペラペラ人に話したい。
● 萌: 成美さんの友達。成美さんが不倫をしていると、私に伝えてきたが、その真相はまだわからない。
● ジェシカ:瑛太と同じ会社で働いていて、瑛太の上司にあたる。今後しばらくの間、芽衣の仕事のパートナーになる予定。結婚していて、日本人のご主人と仲良く二人暮らし。
食事の真っ最中に
きっと相手は瑛太であるはずの
電話がかかってきて
席を立ってしまった太田花子。
5分くらい経過しても
まだ戻ってきていない。
その間に成美さんが
瑛太にLINEを送ったが
もちろん既読もつかない。
私
「それで成美さん…
実際のところ、どうですか。
夫の不倫相手に会うって…
大丈夫ですか。」
堂々と振る舞っている
成美さんをみていて
内心、とても心配だった。
普通なら、平常心では
いられない場面でもある。
成美さん
「会う前は緊張しましたけど
なんか実際のところ
…彼女も騙されてるんだなって
そう思ったら
彼女よりやっぱり
夫に腹が立ってきて…」
芽衣
「そりゃあそうですけど、
彼女、成美さんにすっごく
敵対心剥き出しじゃないですか。」
私
「そうそう。いくらなんでも
あの物言いはないというか…」
成美さん
「そこはまぁ、、
ビックリしましたね。
今もまだなんか
自分でも何が起こってるか
ずっとわかってないので
後からまた色んな感情が
一気にくるんですかね。」
私
「…来るかも、、
しれませんけど
とにかくこの件でご主人が
自宅で今夜成美さんに
どう振る舞うかですね。」
芽衣
「でもこれでもしも、
仮にもしも、
瑛太さんが太田花子のことが
面倒になってしまって
別れたいとか言い出して
一旦瑛太さんが家庭に戻ってきたら
どうしますか?」
成美さん
「そこは、
不倫がなくなったからって
…モラハラが
治るわけじゃないので
今の苦しさの分量が
減るわけじゃないんですよね…
だから別れたいという気持ちには
変わりありません。」
私
「芽衣、そうだよ。
今こうして
太田花子に会ってるのも
証拠を確かなものにするためで
2人を別れさせたいわけでは
ないんですよね、成美さんは。」
成美さんは縦に
思いっきり頷いている。
成美さん
「もちろん悲しいし
悔しいですよ。。
でも、自分だけじゃなくて
子供のことまでも
不安にさせたり
傷つけている人にしがみつくなんて
そんなことの方が
もっと悲しいですからね。。。
でも本音としては、
彼女にも捨てられて
夫には
1人になってもらいたいです。」
芽衣
「確かに、、
こっちと別れても
こっちがあるからなんて
考えただけで
許せないですよね。」
私
「それは許せない…
でもああいう人は結局
最初に見せる顔が
いい人なわけだし、、
受け入れてくれる人を
見つける天才なので
結局傷つくのは、
女性の方なんでしょうね。」
成美さん
「本当に、、あーあ。
太田花子さんに今、
実は夫、すごいモラハラですけど
それでも良ければどうぞって
言ってしまいたいですね。」
私
「そこは成美さんが
ちゃんと別居とか
離婚が出来たときには
言いましょう。」
芽衣
「言いましょ言いま、、
あっ。話しかえよっ。
そうなんですよー。
私とパンダが飲みに行くと
お酒以上に
もう食べすぎちゃってー
(何故、咄嗟に変えた話題がこれなんだ。)」
もうみんなそれぞれ
ランチセットを
食べ終わりそうな頃に
やっと太田花子が
硬い表情で席に戻ってきた。
太田花子
「皆さんすいません。
お食事中に抜けて…」
芽衣
「どうしました?
顔色悪いですけど
会社で、トラブルです?」
太田花子の顔色を見るに
楽しい話題ではなかったことは
明らかだった。
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