登場人物
● 芽衣:今回の物語のキーとなる人と私を、出会わせた私(パンダ)の高校時代からの友人。現在ジェシカと2人で、瑛太に探りを入れている。
●小林成美:ホームパーティーで私に話しかけてきたキラキラ女子。5歳の息子さん(ハルキくん)がいる。しかし、その後私に相談のメールがきて、夫のモラハラを打ち明ける。
● 小林瑛太:成美さんの夫で、ジェシカのビジネスパートナー。モラハラ男でマザコン、不倫男だった。
●太田花子:ジェシカと瑛太と同じ会社で働く、派遣社員の女性。瑛太との不倫を、本当はペラペラ人に話したい。
● 萌: 成美さんの友達。成美さんが不倫をしていると、私に伝えてきたが、その真相はまだわからない。
● ジェシカ:瑛太と同じ会社で働いていて、瑛太の上司にあたる。今後しばらくの間、芽衣の仕事のパートナーになる予定。結婚していて、日本人のご主人と仲良く二人暮らし。
芽衣のアドバイスを受けて
今夜瑛太と会う太田花子。
文面からなぜか
ワクワクしている感じがするのは
やはりこの、暴 走子さんが
空気の読めない女だからなのだろうか。
◆
それからすぐに
芽衣は私にLINEをしてきた。
芽衣LINE
「ねぇ、今日の夜瑛太と
太田花子が会うことになった。
そこで太田花子が
色々うまく聞き出せるとは
思ってないけどさ。」
芽衣からのLINEに気づいたのは
それから2時間ほど
経過してからだったが
私LINE
「…私も思ってない。」
一言だけ返すと
芽衣LINE
「まぁこれは、第一弾だからね。」
私LINE
「そうね。今日はひとまず録音に
2人が付き合っていることが
わかるニュアンスが残れば
良いんだもんね。」
私たちは今日太田花子が
瑛太と会ったとて
すぐには色々聞き出せないことも
想定済みだった。
だって相手はモラハラ男。
自分の思うように
女性を、相手を支配したい男。
なし崩し的に、
都合の良い言葉を並べて
信じさせるのだろう。
だからまずは、
成美さんとは
もう終わっているとか
君のことが好きだ的なことなど
そういう証拠が録音に残れば
探偵を使うよりきっと良い形で
弁護士さんに相談できる。
芽衣LINE
「モラハラ男ってこっちが
想像もつかないようなこと
考えるから、、今日一体
どんな話し合いになるか
全然想像つかないね。」
◆
その日の夜22時。
芽衣は携帯の画面を覗く。
しかし、太田花子からは
なんの連絡もない。
芽衣
(やっぱりなし崩し的に
言いくるめられて
太田花子の家にでも
言ってるのかな。)
◆
そして、深夜0時。
太田花子からLINEが届いた。
太田花子LINE
「芽衣さん、ご連絡が
遅くなりました!
瑛太さん
さっきまでうちにいて…」
あ、そう。
別にどこにいたかまで
聞いてないんですけど。
芽衣LINE
「そうですか。
話し、出来ましたか?」
もっと長文で
色々聞きだしたいが
前のめりになってはいけない。
芽衣は文字数と気持ちを
グッと抑えた。
太田花子
「まぁ、多少は聞いたんですけど
(僕たちの関係性って
そういうことじゃないところで
繋がってると思うんだけど)
って、ちょっと
拗ねられちゃって(笑)」
笑
って、全然笑えないんだけど。
多少想像はしてたけど、
拗ねられただなんて
ただのごまかしの言葉に
喜んでいるこの女に
芽衣はムカついてきた。
芽衣LINE
「そういうところじゃない
って、どういう意味ですか?
太田さんは最初に、
なんて質問したんですか?」
太田花子LINE
「瑛太さん会った途端に
(相談って何?早く話してよ)
って言うんで
(私たちの将来のことが
急に不安になってしまって…)
って、芽衣さんのアドバイス通り
言ってみたんです。」
そんなに突然会った瞬間に
なんの前置きもなく聞けとは
言ってないけどね。
太田花子LINE
「そしたら瑛太さんが
さっきの言葉を
返してきたんですよ。
僕たちの関係性って
そういうところじゃない
繋がりだって。
芽衣さん、やっぱり私
瑛太さんの言葉って
真実だと思うんですよ。」
馬だよ。
鹿だよ。
そうだよアホだよ。
(これでマークパンサーさんと
わかる方が多くて、らぶ。)
芽衣は深夜に
このLINEに真面目に
返信するのさえ疲れて
この日はそのまま寝落ちした。
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