登場人物

● 芽衣:今回の物語のキーとなる人と私を、出会わせた私(パンダ)の高校時代からの友人。現在ジェシカと2人で、瑛太に探りを入れている。

 

●小林成美:ホームパーティーで私に話しかけてきたキラキラ女子。5歳の息子さん(ハルキくん)がいる。しかし、その後私に相談のメールがきて、夫のモラハラを打ち明ける。

 

● 小林瑛太:成美さんの夫で、ジェシカのビジネスパートナー。モラハラ男でマザコン、不倫男だった。

 

●太田花子:ジェシカと瑛太と同じ会社で働く、派遣社員の女性。瑛太との不倫を、本当はペラペラ人に話したい。

 

● 萌: 成美さんの友達。成美さんが不倫をしていると、私に伝えてきたが、その真相はまだわからない。

 

● ジェシカ:瑛太と同じ会社で働いていて、瑛太の上司にあたる。今後しばらくの間、芽衣の仕事のパートナーになる予定。結婚していて、日本人のご主人と仲良く二人暮らし。

 

 

 

数日後の夜。

 

 

その日は芽衣と太田花子が

食事に行くことになっていた。

 

 

その前に案を色々と

考えに考えたけれど

とりあえず成美さんは

絶対に夜に抜け出せないので

連れて行くことは出来ない。

 

 

いきなりわたしが

 

 

「んちゃ!」

 

 

と合流しても、

ただの空気の読めない人だし

そのせいで太田花子の不倫話が

聞き出せなくなっても困る。

 

 

 

なので今回は一旦芽衣が1人で

頑張るしかない。

 

 

 

 

 

 

 

太田花子

「うわ、さすがですね。

 いい感じのお店ー!」

 

 

芽衣は程よい居酒屋を選び

あえて周りが

ざわざわしている場所にした。

 

こういうところの方が

意外と開放的になって

 

周りの声に負けないような

おっきな声で色々と

話したくなってしまうのを

芽衣はよく知っている。

 

 

 

 

芽衣

「なんか最近

 こういうところの方が

 ビールが美味しいなって

 思っちゃって。」

 

 

 

 

太田花子

「わかりますわかります!

 

 彼がこういうところ

 あんまり好きじゃないんで

 すっごく嬉しいです!」

 

 

 

 

すごいな。

 

 

この子ったら

こっちからわざわざ聞かなくても

ちゃんと自分から光の速さで

ペラリーンキューするのね。

 

 

 

 

芽衣

「こういうところって

 ざわざわした場所

 ってことですか?

 

 それとも居酒屋が嫌いとか?」

 

 

 

太田花子

「お店の雰囲気というより

 

 彼は私のために必ず

 個室のあるお店

 選んでくれるんですよ。

 

 だからなんか、本当は

 こういうお店も好きって

 言えなくなっちゃって。

 

 困っちゃいますよね。」

 

 

 

 

 

困ってないだろ。

 

 

 

太田花子はなぜだか

ちょっと得意げに、

そして頬を紅潮させて話す。

 

 

 

 

 

芽衣

「太田さんのために、

 

 個室、、なんですか?」

 

 

 

 

太田花子

「そうなんですよー

 

 だって家族とは別に

 個室じゃなくても

 いいらしくって。

 

 彼は自分の声が通りにくいのと

 私といるときはちゃんと

 2人きりで

 集中して話したいからって

 それでいつも個室なんですよ。」

 

 

 

 

ポッ。

 

 

 

 

じゃないだろ。

 

 

 

 

ちなみに、

瑛太が個室ばかりを選ぶのはね、

大体の人ならもうわかるんだけどね

 

チミと一緒にいるところを

誰にも見られたくないからだよ。

 

 

 

というセリフが

喉の上の方まで出かけて

芽衣はグッと飲み込んだ。

 

 

 

 

芽衣

「彼とは個室で普段

 どんなことを

 話すんですか?」

 

 

 

太田花子

「彼の幼少期の頃の話とか

 学生時代のこととか、

 

 あとは仕事についても

 話してくれますよ。

 

 結構私にはなんでも

 話しやすいみたいで。

 

 奥さんとはよっぽど

 会話がないんだと思います。」

 

 

 

 

いや、太田花子よ。

 

 

 

つまりそれって

周りから見たら

 

 

個室で男が自分だけ

気持ち良くなるための会話を

拷問のように聞かされている図。 

 

 

 

 

芽衣

「太田さんの話も

 なんでも聞いてくれてます?」

 

 

 

太田花子

「話しますけど、私って彼にとって

 すごく聞き上手で

 心地がいい存在らしいんです。

 

 だから私の話より

 彼の話を聞いてる時間の方が

 圧倒的に多いですけど

 

 私も彼のことを知りたいので

 その方が嬉しいです。」

 

 

 

 

ほら、やっぱり。

 

 

 

 

私はここまで生きてきて

いろんなモラハラ男の話を

いくつも聞いてきたのだが

 

基本的にモラハラ男は

特に交際中の餌やり中は、

自分のことを話すのが大好き。

 

 

そして本当に上手に、

そんな自分のことを前向きに

肯定的に捉えてくれる女性を

見つけるセンサーがすごい。

 

 

 

だって現に太田花子は今のところ

瑛太の全てを

盲目的に見ているのだから。

 

 

 

 

 

 

 

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