登場人物

● 芽衣 :今回の物語のキーとなる人と私を、出会わせた私(パンダ)の高校時代からの友人。

●小林成美:ホームパーティーで私に話しかけてきたキラキラ女子。5歳の息子さん(ハルキくん)がいる。しかし、その後私に相談のメールがきて…

● 小林瑛太:成美さんの夫で、ジェシカのビジネスパートナー。どうやらモラハラ気味なようだが…

● 萌さん : 成美さんの友達。成美さんが不倫をしていると、私に伝えてきたが、その真相はまだわからない。

● ジェシカ:ホームパーティーの主催者で、芽衣の仕事のパートナーになる予定。


 

 

 

寝室のクローゼットを

見渡した後、私と成美さんはまた

リビングに戻っていた。

 

 

 

「瑛太さんしか

 開けないところって

 クローゼットだけですか?」

 

 

 

成美さん

「いえ、一応寝室の隣に

 本来は収納部屋として使う程度の

 狭いスペースがあるんですけど

 

 そこにパソコンと

 デスクが置いてあって

 

 瑛太さんはよくそこで

 仕事したり

 趣味の動画を見てます。

 

 でもそこにはほとんど

 入ったことがないんです。

 

 大事な書類が沢山あるから

 掃除もしなくていいって

 言われてます。」

 

 

 

「なるほど・・・

 

 流石にパソコンだって

 ロックかかってますよね。」 

 

 

 

成美さん

「そうですね。

 

 それにきっと、携帯と

 連携してると思うので…」

 

 

 

 

その辺りはきっと

抜かりないだろう。

 

 

 

 

成美さん

「まぁ、お義母さんは

 その部屋、

 片付けるんですけどね。」

 

 

 

 

「へ。ここにお義母さんが

 掃除しにきたりするんですか?」

 

 

 

 

成美さん

「はい、月に何回かは、

 瑛太さんが頼んで。

 

 まぁその時大量に

 タッパーを持ってきて

 手料理の差し入れがあるので

 

 …私としてはむしろ

 品数が増えてありがたいとすら

 今は思ってますけどね。」

 

 

 

それから私はまたしばらく

成美さんと話し込んだが

聞けば聞くほどいくらでも

義母の話や

モラハラエピソードは出てきた。

 

 

 

 

成美さん

「あぁ、、主人から

 LINEきました。」

 

 

 

「私との写真、、、

 送ってって感じですかね。」

 

 

 

成美さん

「はい、それと

 

 今日は外で食べてくるから

 遅くなると。」

 

 

 

 

「へぇ、成美さんのことは

 誰とどうしているか聞いておいて

 

 瑛太さんは遅くなるとだけしか 

 情報書かないんですね。

 

 

 

 

 あ。」

 

 

 

 

成美さん

「??」

 

 

 

 

「たまには瑛太さんも

 外での食事風景送ってよって

 

 そんな返信は

 したことないんですか?」

 

 

 

 

成美さん

「結婚前は無邪気に

 そんなこともしてましたよ。

 

 実際夫は、送ってくれてましたし。

 

 でも今は

 

(そんなこと職場の人の前で

 出来るわけないだろう。

 専業主婦と、働いている俺を

 一緒にするな)って

 逆ギレされるだけです。」

 

 

 

 

まぁ、そうなんだろうな。

 

 

 

(食事、楽しんできてね。

 あ、そういえば今朝鞄の中に、

 ゴムがあったけど

 あれ、今日使うの?)

 

 

これまでの男になら

こんなLINEを送れば

多少はビビったり気が動転したり

していたはずだけど

 

成美さんとの関係性を聞いていると

こんなことを送るのは

むしろ逆効果。

 

 

 

 

「逆ギレって…あーー、

 

 

 ひとまず今、芽衣にLINE 

 送ってみますね。

 今日は仕事一緒じゃないか

 聞いてみます。

 

 もし一緒なら、今夜の予定

 気軽に聞いてもらいましょう。」

 

 

 

 

私はそう言って、

芽衣にLINEをしたが

成美さんと一緒にいる間には

既読にならなかった。

 

 

 

 

成美さん

「…これで明日の朝、

 1つゴムが減っていたら…

 

 確実に浮気相手と

 会っていたことになりますね…」

 

 

 

 

「…本当は私が会社まで行って

 尾行したいくらいですけど…」

 

 

 

 

だって、

 

 

夜になり

今、夫がもしかしたら

女と会っているかもしれないなんて

 

そんなことを思いながら過ごすなんて

辛すぎる。

 

 

 

 

成美さん

「パンダさん。

 ありがとうございます。

 

 でも、大丈夫です。

 

 

 その事実を、知っていても

 知らなくても

 

 夫がしていることには

 変わりがないんです。

 

 

 私は今夜、離婚してから先のこと

 考えながら過ごしますから。」

 

 

 

 

成美さんの顔を見て、思う。

 

 

 

成美さんは、強いんじゃない。

 

 

 

 

もう、心が

壊れてしまっているんだ。

 

 


 

それから大きな進展はないまま

子供たちのお迎えのリミットが来て

私は、成美さんの部屋を

後にした。

 

 

そして電車に乗った頃やっと

芽衣から返信がきた。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

シーズン1〜14までと

私がブログを書く理由はこちら

  ダウンダウン

コレまでのシリーズまとめ。