登場人物
● 芽衣 :今回の物語のキーとなる人と私を、出会わせた私(パンダ)の高校時代からの友人。
●小林成美:ホームパーティーで私に話しかけてきたキラキラ女子。5歳の息子さん(ハルキくん)がいる。しかし、その後私に相談のメールがきて…
● 小林瑛太:成美さんの夫で、ジェシカのビジネスパートナー。どうやらモラハラ気味なようだが…
● 萌さん : 成美さんの友達。成美さんが不倫をしていると、私に伝えてきたが、その真相はまだわからない。
● ジェシカ:ホームパーティーの主催者で、芽衣の仕事のパートナーになる予定。
夫である瑛太の
クローゼットの中から
見たくないものを発見して
内心穏やかなわけはないが
私は成美さんと一緒に
その目の前のものを
冷静に写真を撮る。
成美さん
「…これが日々、、
減っていくとして
それを私は黙って
見ているしか、ないんですよね。」
成美さんが
他の引き出しを開けながら
またため息をつく。
私
「…それは…」
このままでは確かに、
そうなってしまう。
瑛太のことだ。
これくらいのことなら
何かしらの理由で
しらばっくれたり
成美さんに逆切れしたりもするだろう。
私
「なんとしても
決定的証拠のようなものが
必要になりますけど・・
携帯が見れないんじゃあ
探偵を雇うとか、
尾行するしか・・・」
全然、いい案が思い浮かばない。
私
「例えばですけど瑛太さんって
不倫を武勇伝みたいに
会社の人とかに
伝えたりはしないですかね。
それなら芽衣がうまいこと
聞き出すってことも出来なくは
ないかもしれないんですが…」
成美さん
「…さぁ・・
そこは、どうでしょうね。
同じようなことをしている
男性同士なら話すことも
あるかもしれないですけど
女性にとなると
警戒するかもしれませんね。」
私
「ですよね、、」
成美さん
「ひとまず、全部の引き出し
見てみましたけど
…他には怪しいもの
なさそうですね…
もう、探偵つける以外
難しいんでしょうか。」
たまたまこうして
鞄の中とクローゼットの中に
数点怪しいものは見つかったが
正直私も瑛太に関しては
良い案が思い浮かばない。
よく考えてみたら
今までの男たちって
調べやすかったな。
ある程度調べたら
すぐにボロが出たし
家族がロックを解除できた。
しかし瑛太は
ロックの番号を定期的に
変えるようなやつだ。
私
「探偵かぁ…
実際そこまでとなると
…どう思います?」
成美さん
「…不安なのは、費用です。
専業主婦の私がそのお金を
貯金から払ったとして
離婚後のお金もかかるし
養育費がもらえるかも
不安な中で…
なんで真面目に生きている側が
こんなにお金と時間と
心を削って
そんなことしなきゃいけないのか…」
成美さんが悔しそうに
唇を噛みながら
クローゼットの扉を閉める。
私
「ほんと、そうですね…」
私たちは肩を落としながら
またリビングに、戻ってきた。
私
「成美さん、、
ちょっと苦しいことですが
今日の夜か、また明日の朝
鞄の中、確認することは
出来ますか。」
成美さん
「もちろんです。
そのつもりです。
パンダさんにはそのこと
毎日、連絡します…」
私
「そうですか…
それはかなり
しんどいことだと思いますが
今はゴムの数を日々、
数えていくしかなくて・・
そしたら何曜日に会っているとか
なんとなくその法則が
わかる気はします。
…でもその前に心配なのは
成美さんの心です。」
すると成美さんは
首を横に振る。
成美さん
「いえ、なんかもう
おかしい話ですけど
何か1つでも証拠を増やしたいので
正直今日にでも、
その数が減って欲しいって
思ってます。
そのくらいもう、、
この先の不安はあっても
あの人に気持ちはないです。」
背中越しに見える
笑顔の家族写真の前で
成美さんの目には
今にも溢れそうな
涙がいっぱい溜まっていて
それだけで
今までに彼女がどれだけ
苦しい思いをしてきたのか
容易に想像できた。
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