登場人物
● 芽衣 :今回の物語のキーとなる人と私を、出会わせた私(パンダ)の高校時代からの友人。
●小林成美:ホームパーティーで私に話しかけてきたキラキラ女子。5歳の息子さん(ハルキくん)がいる。しかし、その後私に相談のメールがきて…
● 小林瑛太:成美さんの夫で、ジェシカのビジネスパートナー。どうやらモラハラ気味なようだが…
● 萌さん : 成美さんの友達。成美さんが不倫をしていると、私に伝えてきたが、その真相はまだわからない。
● ジェシカ:ホームパーティーの主催者で、芽衣の仕事のパートナーになる予定。
思いつきのように
クローゼットを見たらどうかと
提案してしまった私。
そんなこと自分でも
したことない。
でも携帯が見れないなら
どこかしらを調べるしかない。
私は成美さんについて
寝室に入る。
私
「……わ…シーツが、、
ホテルみたいですけど…
もしかしてこれ毎朝
こんなに綺麗にピッチリ
ベッドメイキング
してるんですか?」
成美さん
「…ここまで行くと
異常ですよね。
…でもこれ瑛太さん
一人暮らしの時から
自分でもやってたんですよ。
付き合ってる時はそれが
モデルルームみたいな感じがして
かっこいいなって
思ってたんですけど
これが結構大変で、、、」
考えただけで、大変そうだ。
こんなベッドメイキングに
あの整理整頓された部屋
そして品数の多い毎日の食卓。
これは仕事をしていたら
絶対に無理だ。
私
「成美さんって、
本当に凄いですね。」
成美さん
「…もう、仕事だと思って
やるしかないですよね。
私、家事とか掃除とか
好きな方だったんですけど、
半ば強制的に、
決まった形式の家事なんて
…辛いだけですよ…
ふぅ…さてと・・・」
成美さんは気合を入れて
瑛太さんのクローゼットを
ゆっくりと開けた。
私
「わ・・・」
思っていた通りだ。
色別に、長さ別に
綺麗に並べられた洋服。
そしてこれを
シンデレラフィットともいうべきか
きっちり並んだ引き出し。
成美さん
「今までちゃんと
見たことなかったですけど・・
やっぱり凄いですね。
私のなんかより、
数倍綺麗なクローゼット…
ここだけは絶対に私に
掃除させないですけど
…こうやって、
自分で出来るのに・・・」
まぁこれはむしろ、
尊敬の域に入るくらい
綺麗に整っている。
成美さん
「何から見ていきましょうか…
洋服のポケットに
何かを忘れるような
人ではなさそうなので
…ひとまず引き出しを
開けていきましょうか。」
私
「はい、、でもなんか
位置がずれてしまったら
バレそうなので、慎重に‥」
成美さん
「確かに‥」
それから成美さんは黙って
1つずつ丁寧に、
引き出しの中を覗いてゆく。
その時
成美さん
「…あぁ…」
成美さんが、
タオルか何かを持って
私がそれを認識したと同時に
その手がパッと止まった。
私
「…なんか、
見つけましたか・・」
後ろで待っていた私はまだ
成美さんが見つけたものが
何かわからず、
右手にはデジカメを持ったままだ。
成美さん
「……パンダさん、これを
…撮ってください…
このタオルの下に、
ありました。」
成美さんがその場を右によけたので
私は前に進んで
引き出しの中を覗き込む。
私
「…なるほど…」
目にしたのは
コン○ームの箱。
12個入りが、3パックほど
並んでいる。
私はまずクローゼットを
引きで撮って、
その後その引き出しに近づき
何枚かの写真を撮る。
そして
私
「……あの…」
成美さんの方を振り向くと
成美さんが首を横に降る。
成美さん
「その箱の隣のやつは
私は見たことないです…」
隣のやつというのは
いわゆるおもちゃ的なものや
ゼリー的なもの。
それらが黒い引き出しの中に
タオルをかけられて
しまわれていたわけだ。
成美さん
「…その箱の中にある
残りの数も
数えておきましょう…
…3つどころじゃ、
なかったですね…」
成美さんはとても、
とても冷静だった。
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