登場人物
● 相談者:萌さん。成美の友人で新婚さん。
● 芽衣 :今回の物語のキーとなる人と私を、出会わせた
私(パンダ)の高校時代からの友人。
● ジェシカ:ホームパーティーの主催者で、芽衣の仕事のパート
ナーになる予定。
●小林成美:ホームパーティーで私に話しかけてきたキラキラ
女子。5歳の息子さん(ハルキくん)がいる。
● 小林瑛太:成美の夫で、ジェシカのビジネスパートナー
● 星野さん : 成美のママ友
ホームパーティーの帰り道
芽衣と話している間に
萌さんから個別にLINEが入っていた。
そのまましばらく
未読にしておこうと思ったら
芽衣が、
気になると言い出したので
私は渋々、その内容を読むことにした。
萌さんLINE
「パンダさん!
今日はありがとうございました!
もう、帰ってますか?
もし時間があるなら、
ちょっと近くで
飲み直しませんか?」
私
「…ほら、こんなの
読んじゃったじゃーん」
ぶつぶつ言いながら、
しっかり駅に向かう私。
芽衣
「…これは…そうね。
ごめん。
好奇心が優ってしまった。」
私
「いや、もちろん私も
気になってたからいいけど
ひとまず、
(もう電車に乗ったから
ごめんなさい)
って返しとくか。」
芽衣
「だね。」
そう言いながら私たちは
同じ方向の電車に乗り込む。
私が返信をしたら
秒で既読になった。
そして
萌さんLINE
「パンダさんの最寄り駅って
どちらですか?
もし良ければ、
私がそっちまで行きますよ!」
私
「……」
芽衣
「…………
なかなかだね。」
私
「…なかなかだよね。」
私はそれからすぐに
(ありがとうございます!
でもすいません、明日の朝
仕事が早いので、
今日はもうこのまま
帰らせていただきますねー)
と、ふわっと返した。
するとまた秒で既読になり
萌さんLINE
「わかりましたー。
じゃあ、明日以降なら
いつ会えますかー!?
パンダさんの職場の最寄りって
●●ですよね!
私そんなに遠くないんで
行きますよー!」
……
芽衣
「パンダにめっちゃ
会いたいじゃん。 」
私
「なんでや。
(次回また、
一緒に行きましょう。)
みたいな社交辞令さえ
入れてないんだけど…
なんでこんな風に
押しの強い文章を
初対面の人に送れるんだ…」
芽衣
「……さすがに、
無視で良さそうだね。
断ってもまたすぐに
ラリーが続きそうだし。」
私
「そうだね。
とりあえず明日以降の
成美からの連絡を待って
それを読んでからじゃないと
なんか…
絶対に辻褄合わないからな。」
その日私は、
本当に返信しなかったけれど
夜になり
萌さんLINE
「おやすみなさい!」
と再びラインが来たものは
未読のまま寝た。
◆
翌朝。
ひとまず萌さんからのLINEを
既読にだけしたが
起きてから出社するまで
携帯は1度も見ず、
電車に乗ってから
再び開いてみると
パソコンのアドレスに
メールが来ていることがわかった。
私(成美さんかな…)
予感は当たっていた。
そして開くと
朝の6時半に
小説ばりの長い文章が届いていて
もしここで牛乳を飲んでいたら
吹き出しそうだった。
(例えがアレ。)
成美メール
「パンダさん、
昨日はありがとうございました。
こんな早い時間に
申し訳ありません。
この時間しか1人でゆっくり
文章を考える時間がないので…」
こんな出だしから、
始まっていた。
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