登場人物
● 相談者:萌さん。成美の友人で新婚さん。
● 芽衣 :今回の物語のキーとなる人と私を、出会わせた
私(パンダ)の高校時代からの友人。
● ジェシカ:ホームパーティーの主催者で、芽衣の仕事のパート
ナーになる予定。
●小林成美:ホームパーティーで私に話しかけてきたキラキラ
女子。5歳の息子さん(ハルキくん)がいる。
● 小林瑛太:成美の夫で、ジェシカのビジネスパートナー
● 星野さん : 成美のママ友
成美が出て行き、
洗面台に一人になった私。
一体今日は
どういう日なんだろう。
◆
帰り道、私は芽衣と二人
駅まで歩きながら
今日の出来事を話した。
芽衣
「…それ…なんかごめんね。
私が今日誘ったばっかりに…」
芽衣が、
バツの悪そうな顔で
手を合わせている。
私
「あ、いや別に、
パーティ自体は楽しかったよ。
今のところ、
別に何もないしさ。」
このブログには書いてないが
私もずっと、
成美や萌さんたちとばかり
一緒にいたわけではないので
他の参加者さんたちとも
いくつか話をさせてもらったりして
勉強になることもあった。
芽衣
「だってさー萌さん、
泣きそうな顔で私に
相談したいことがあるって言ってたし
その内容ならパンダの方が
得意分野だからって
思っちゃってさ。
私、安易だったんだなぁ。
まさかそんな変な展開に
なるとは思わなかったから…」
私
「私も萌さんだけと話してたら
疑わなかったよ。
相談があるって言われたら
聞いちゃうのは当然だし
成美の第一印象は、
お気楽な感じに見えたしさ。」
芽衣
「まぁねぇ、でもどっちにしても
どちらか一方の話だけで
人の信じるのは
危険ってことよね。」
私
「そうだねぇ。
あ、それで瑛太さんのことは
もしかしたら成美経由で何か
わかるかもしれないから
萌さんのことは置いといて
そっちの方はまた何かあれば
連絡する。もちろん成美には
芽衣と共有させてもらいたいって
断りも入れるし。」
芽衣
「うんわかった。ありがとう
…で、パンダはどう思う?」
芽衣が突然、立ち止まった。
私
「どう、とは。」
私も一瞬立ち止まったが
また同時に歩き出す。
芽衣
「まさかだけど、
瑛太さんと萌が
出来てる可能性は…」
このご意見、今の段階で
コメントにも多く頂いておりますね。
私
「…うーん。
もしそうだとして、
私から暴露させようとする
意図がわからん。
…もし2人で会ってるなら
直接萌さんが
瑛太さんに言えばいいでしょ。」
芽衣
「そうだけど、そこはなんか
のっぴきならない
事情があるとか?」
私
「…だって瑛太さん、
成美のLINEまで
見てるような人だよ。
…萌さんの嘘だったとしたら
萌さんの方が
立場危うくなるじゃん。
…って、
こうして私たちが憶測で話しても
時間の無駄なのでやめ。」
芽衣
「あ、はい。」
そんな話をしながら
私はふと、
ポケットの中に入れていた
携帯を取りだす。
私
「ぎゃ。」
芽衣
「え。」
芽衣も条件反射で、
私と一緒に携帯を覗き込む。
私
「萌さんからだ。」
芽衣
「だね。」
私
「ひとまず、未読にするか。
芽衣、じゃあね。」
芽衣
「いやいやいや。」
ポケットに、携帯を突っ込んだ私を
芽衣が止める。
芽衣
「なんて書いてあるか見ようよ!」
私は渋々、もう一度携帯を出して
萌さんからのLINEを開いた。
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