登場人物
● 相談者:萌さん。成美の友人で新婚さん。
● 芽衣 :今回の物語のキーとなる人と私を、出会わせた
私(パンダ)の高校時代からの友人。
● ジェシカ:ホームパーティーの主催者で、芽衣の仕事
のパートナーになる予定。
●小林成美:ホームパーティーで私に話しかけてきたキラキラ
女子。5歳の息子さん(ハルキくん)がいる。
● 小林瑛太:成美の夫で、ジェシカのビジネスパートナー
● 星野さん : 成美のママ友達
噛み合っているような
噛み合っていないような
成美と私の会話。
私も遠慮があるし、
成美は何が言いたいかさっぱりだしで
私のノープランにも
ほどがある。
私
「ちょっと一旦、
飲み物取ってきますね。
成美さんはまだありますか?」
成美
「はい、大丈夫です。
私はその間
お手洗いに行ってきまーす。」
私が立ち上がると、
成美も同じタイミングで
席を立った。
◆
芽衣
「どう?成美さんと
いい感じで話せてる?」
ワインを注いでいると
芽衣が話しかけにきた。
私
「いや…色々聞いてみたいんだけど
なんかさ…
初対面だと、難しいよね。
やあ!ご主人ちょっと
モラハラ気味?
とか、
さらっと聞けるわけないし。
でも、、さっきからずっと
気になる発言はあるんだよなぁ…」
芽衣
「例えば?」
私
「あ、いや、それはまた
長くなるからあとで話すよ。
また成美さんのところに
戻りたいから。
って、あれ。
芽衣は瑛太さんと
一緒だったんでは。」
芽衣
「あ、さっき成美さんが
あっちの方に行くのを見て
ちょっと待っててくださいって
成美さんの後について行った。」
私
「へぇ…」
ん。
その時は別に、
何かを思ったわけではないが
なんだか無意識に私も、
足がそっちのほうに向かっていた。
今思えば、
何かの虫の知らせだったんだろうか。
間取りとしては、
広いリビングから出た廊下の先に
お手洗いがあるのだが
ざわざわとした
リビングの隅までいくと
廊下の死角に
瑛太さんと成美が見えた。
瑛太
「○✖️さんと、パンダさんの
好きなものを
ちゃんと聞いておいて。」
ん。
瑛太さんが成美に、
何か言っているけど
…私の名前も聞こえる。
瑛太
「今日は遅くなるけど、
絶対に今日中に
どれがいいかのリストを
僕に送っておいてよ。」
成美
「…帰ってから見せるじゃ
ダメなの?」
瑛太
「何ふざけたこと言ってんだよ。
今日の夕飯、
僕は食べてくるんだから
帰ったら成美は暇だろう?
それくらいやれよ。
帰りの電車でチェックしたいから
なるべく早く。」
成美
「暇って…
あなたが食べてくるだけで
私はハルキと
自分の食事の用意とかお風呂、、
…わかった。
帰ったら見せる…」
………。
マズイ。
この会話の時に、
私がここに立っていたことが
バレたらマズイ…
どうしようかな。
何食わぬ顔で、
お手洗いに行くフリをして
いきなり登場するか
この場を去るか…
わからん。
わからんけど無意識に、
私はその場を、
去ることにした。
さすがに突然何食わぬ顔で
通り過ぎる度胸はなかったな。
それより
瑛太さんのあの言い方
最初のご挨拶の
ちょっと控えめだった感じとか
仕事の話の時の印象とは
やはり違う。
(帰ったら成美は暇だろう。)
って、5歳の子供を育てる妻に
いうセリフかね。
なんか、イライラしたな。
本当はその場で飛び出して
(なんでやねん!)
って、空手チョップでも(古い。)
したらよかったけどな。
やっぱり実際その場にいると
そんなこと突然、
出来ないもんだな。
私は無言で、
さっきいた場所に一人
腰掛ける。
何も出来なかった自分と
さっきの瑛太さんの言葉が
頭の中をぐるぐる駆け巡っている。
成美
「パンダさーん、
お待たせしましたー。
お手洗い、先に別の人が入ってて
思いの外長くなっちゃって
すいませーん。」
そこに
成美が笑顔で戻ってきた。
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