肋骨の疲労骨折における人体実験。 | オペラ歌手 楠野麻衣 Official blog

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オペラ歌手 楠野麻衣(藤原歌劇団団員・ソプラノ)のオフィシャルブログ。
出演情報や日々の活動などを徒然なるままに綴っています。

時が過ぎるのは早いもので、2018年も9月に入りました。

私はというと、

ここ2週間あまりはまともに歌えていません。

歌えていない理由を端的に述べると、

お盆に咽頭炎になり、
声帯も腫れた末、
咳が止まらず、
咳のし過ぎで、
肋骨を疲労骨折しているからです。

(ポキッとではなくヒビ。)
(こうして書くと踏んだり蹴ったりでかわいそう。笑)

楠野家は現在、私と姉が厄年で、
両親が二人とも後厄。

家族全員厄年ってすごい。
(年がバレるって怒られるかもしれない。ごめんなさい家族の皆さま。)

これだけ厄にあふれてるのだから、オペラの役も引き寄せないかなと期待したいところですが、そんな簡単にはいきません。
(ちなみに寄ってきてくれた役は「こうもり」のアデーレと、「静と義経」の大姫と、「フィガロの結婚」のスザンナと、ロッシーニの×××。)

やっと咳も止まったし、声帯はきれいに治っているので歌えないこともないのですが、しっかり息を入れると肋骨が痛いのと、治りが遅くなりそうなので、音取り程度に歌っています。


「咳で肋骨が折れるなんて!そんな馬鹿な!笑」


と思われるかもしれませんが、肋骨は案外折れやすく、
健康な若い人(男女とも)にもあり得るそうですので、
皆様も他人事とは思わずお気を付け下さい。笑

数日前、寝ている時に咳をしたら「パキッ」て音がして、更に痛くなったので、患部を抑えて呻きつつ、小魚を食べて寝ました。

(痛み止めを飲むほどでは無いのでご心配なく)


こうなってみると、人って、元気に過ごしている時は自分の身体について無頓着だなと思います。

肋骨についてなど、これまで特に考えたこともなかったけれど、
骨が折れるほどの衝撃を普段から何食わぬ顔で支え続けてくれていたなんて。
尊敬に値します。


〝歌えない”というのはストレス以外のなんでもないのですが、“痛い”という事はその部分に負荷がかかっているということなので、

「歌うために息を入れることで、こんな風にココを使ってたんだな」とか、

「息を保つためにはどこの筋肉が必要か」とか。

「息を入れなくてもこれぐらいには歌えるけど、支えの無い声は飛ばないもんだな…」と。

自分の身体を実験台にして、呼吸やインナーマッスルの動きを研究しているような感じです。


不思議なことに、肺に入る息の量が同じだとしても、息を入れる時のプロセス(通り道や使う所の考え方一つ)で、痛かったり痛くなかったりするのです。

痛みが変わるという事は、身体の使ってる部位、もしくは使い方が異なるということで、

果たして、歌う為に吸う息としてはどれが正解なのか?とか。


そういうことを考えるのは楽しい。

折れてみないと実験できないし。


多分そんな実験してる歌手、そんなにいないと思うし。
実験したくて折った訳じゃ無いけど…。

心配されても、ちょっとアレなんで。

この際、笑ってもらえたらいいかなと思ってます。

ちょっと痛いだけで重症じゃないし。

翼の折れた鳥
首の折れたキリン
肋骨の折れた歌手
(あぁ…くだらない…)


明日はこちらのオペラで受付か何かのスタッフやってます。

お時間ある方、ハーモニー座間ホールでお会いしましょう♪

 

楠野麻衣