タヌキの奇形創作宿 -8ページ目

タヌキの奇形創作宿

ようこそ。
このブログでは、
オリジナル小説(主に怪談)、童話、
詩、二次創作物を自己満足に綴ります。
Youtubeでは、朗読を投稿し始めました。

勇次は右腕、


望は左腕、


明は右足、


有紀は左足だけになった。


嫌だ。


この店はおかしい。


今はドアも窓もない。


これは夢なのか?


分からない。


寒い。


軋む音がする。


屋根裏に何かがいる。


隙間がある。


目がある。


見ている。


逃げたい。


足が動かない。


動かない?


あぁ、そうか。


そういうことか。


もう動けない。

夜も更けて日付が変わり


見上げた空には


殴り書きしたかのような雲が広がっていた


その中の途切れ途切れの黒色に


星の切なさが光る


何気なく視線を落とすと


力を無くした街灯に照らされた僕が


五年前の今日に未練がましくすがりついていた

本当に神様がいて


この世に救いがあるのなら


本当に神様がいて


慈愛から全てが作り出されたとするのなら


生物は笑いながら生まれて来ただろう


本当に神様がいて


それらすらも試練だと言うのなら


本当に神様がいて


失う痛みから強くなれと言うのなら


ただの暇潰しに


付き合わせないで欲しい