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タヌキの奇形創作宿

ようこそ。
このブログでは、
オリジナル小説(主に怪談)、童話、
詩、二次創作物を自己満足に綴ります。
Youtubeでは、朗読を投稿し始めました。

『いない


 こにはいない


 昼はいない


 いつもいない


 いる


 そこにはいる


 夜はいる


 いつもいる』


最近行方不明になった友人宅で、


そんな奇妙なメモを見付けた時、


俺は無意識にそれを丸めてごみ箱に捨てていた。


主人公にはなりたくない。


俺は何も見なかったことにして、


平凡な日常に帰った。

生きる理由も


死ぬ理由もないとしたなら


どちらを選ぶべきだろう


自分よりも下を探して生きるよりも


自分よりも上を見つけて死ぬ


改めて考えてみると


そこには大した違いがないのかもしれない


その答えを出すのは自分自身だ


生きろと語る人間は


最低限の安定した生活を持っていてからこそ


そんなことを説く余裕があり


死ねば良いと呟く人間は


どこか近い存在でありながら


微かな悪意を秘めている


答えを選べない人間こそを信じるべきだが


立ち止まっていては変化はない


生きれば宝くじが当たり


億万長者になれるかもしれないが


首を吊るよりも


苦痛と嗚咽に満ちた最期に至るかもしれない


現状、両方の結末を知ることは不可能だ


人生は全て運で出来ている


だからこそ


諦める人間も


諦めない人間の気持ちもよく分かる


僕は 君は 


この選択肢のどちらを選ぶのだろう


風の泣く声を背に受け笑う


少年の姿も今は遠く


水溜りの向こうに浮遊する


汚く老いた今の自分を


見下す様に


月が顔を出した