調声に役立つ音楽理論~音程の話編~ | チラシの裏 ~UTAU調声メモ~

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UTAUの調声の話を中心に、初心者向けの使い方からうまく歌わせるコツ・ニッチなネタまで、独断と偏見で書いています。

初稿:2018年12月

 

この記事は、「調声に役立つ音楽理論」のコード・スケールの話が長くなりすぎたので分離したものです。

 

~前回までのあらすじ~

音楽はボーカルだけでできているわけではない

→伴奏を考慮した調声をしよう!

 

 

☆音程の話

 

ピアノを思い浮かべてみてほしい。

ドからシまで(黒鍵含め)12種類も音があって、それぞれに相性がある。

これの後にこれが鳴ると綺麗、これとこれを同時に鳴らすと気持ち悪いetc…

 

たくさんあって大変なので、音程を

メロディ作り用に整理した「スケール」

同時に鳴らす用に整理した「コード」という

音程のスターターパックみたいなのがある。

世の中のほとんどの曲は何かしらのコード、スケールに則って作られている。

 

UTAU調声的には、スケールとコードを学べばピッチを描くときやハモりを作るときに役立つ。

 

 

・スケール(=音階)

「これらの音を使ってメロディを作ればイイ感じになるよ!」ってやつ。

たくさん種類がある。

基本的に1曲通して同じスケールが使われるが、一瞬だけ違うスケールに変えたりBメロだけ転調したり、最後だけ音程が丸ごと上がる(移調)こともよくある。オサレポイントが高い

 

スケールについては

スケールとかキーとかはカードゲームでいう「デッキ」

という例え満載の記事を書いた他、外部リンクだと

誰でもわかる!音楽理論 ←「音階の基本」の項

スケール(音階) - Theta Music Trainer-

あたりが詳しい。

 

例えばドレミの歌(Cメジャースケール)ならドレミファソラシ以外の音符はほとんど出てこない。

「シは幸せよ~」でファ#が出てくるのは、ここだけGメジャー(Cメジャーに近くて親和性が高いやつ)に転調することでエモさを出して「さあ歌いましょう」を映えさせる巧妙な策略。

 

ドレミファソラシのような、主音(ド=C)から+0,+2,+4,+5,+7,+9,+11の並びがメジャースケール。

これが全部半音上がって、ド# レ# ファ ファ# ソ# ラ# ド
になると、C#を主音にしたC#メジャーになる。

C#メジャーになっても+0,+2,+4,+5,+7,+9,+11の並びは変わっていないのがポイント。

 

ピッチ線を描くときは、スケール・コードの両方から外れると気持ち悪くなりやすい。(一瞬ならそんなに影響ない。あと描いたのが発音の子音の時だったら音程を感じにくいので許されたかも)

特に画像だとシ→ドはこのスケールで一番綺麗な流れ(リーディングトーン)なので、関係ないシ♭がいきなり挟まるととても邪魔。

 

こんなふうに修正すれば気持ちよく聞こえるでせう。

 

 

・コード(=和音)

 「これとこれとこれを一緒に鳴らすと綺麗だよ!」ってやつ。

めちゃめちゃたくさん種類がある。

ありすぎるので「安定感のあるやつ」「ちょっと不安定だけどオシャレになるやつ」「安定感のあるやつの前に置くやつ」などに分類される。

 

コードは曲中ではコロコロ変わる。2拍とか4拍おきに。バントスコアとかの五線譜の上にちっちゃくC7とか書いてあるやつがそう。

ちなみにコードは前後の流れが大事なので、単発で聞いたら不協和音なコードも前後のコードによってはオシャレ要素として活かせたりするけどここでは割愛する

 

ざっくりいうと、メインの音(コードの主役になる音。だいたいベースが弾く)に2つの音を加えた三和音+オプションとなるオシャレな音、で構成される。

 

 

「そんな難しい話わかんないよ!」

そんなあなたにSongleをどうぞ。メロディとかコードとか拍とかかなり色々なことを解析してくれる。

 

また、みんな大好きボカロPのOSTER project先生がYouTubeにあげている動画がかなり勉強になる。

 

 

 

ここで我流ハモりの作り方講座。

↓Cメジャースケールなのでドレミファソラシド(白い鍵盤)がスケールに合う音

主旋律(メロディ)が伴奏のコードにある音(画像の◯)なら、ハモりの音程もコードの音から選べば不協和音になりにくい。

主旋律がミでコードがドミソ~なら、ハモりの音はドかソなら安心。

メロディの流れによってはそれ以外にも選択肢はある(上級編だけど)

 

主旋律がコードにない音のときはだいたい前後の音を繋ぎたいときなので、ハモりも前後とスケールを考えて決めればok。

アニメでいう中割りじゃよ(?)

 

→こうなった

<再生できるよ>

ソラドレレファソソ~

ぶっちゃけコードから外れててもスケール合ってればだいたい大丈夫な時が多い。

ソラシドレミファソ~でも別にいい(好みの問題)

 

 

☆余談

・音程

狭義には、音の高さの差のこと。

「ドとミの音程は長三度(半音4つぶん)」みたいに使う。

広義には、音の高さのこと。

 

・音律

音の高さに名前をつけたもの。

ドレミファソラシドが一般的だが国や時代によって色々ある。

ドレミファソラシドの決め方すら色々ある

(このブログはもちろん12平均律を前提に書いてます)

 

実は流行によって基準音が微妙に高くなったりしている。

この曲は明るい聴きごこちがいいから2Hz高くしとこ!みたいな。

DAWやボカロは設定画面で基準の周波数がいじれたりする。

 

・高いドはどう扱うの?

基本的にオクターブ違いはいっしょくたなので、Cのスケールにはどの高さのドも含まれる。

ただし、CM7(ドミソシ~)みたいなきわどいコードでドと半音下のシを同時に鳴らすと気持ち悪いけど、

高い方のシなら離れてるからありかな~みたいな感じで編曲することはあるらしい(ボイシングという)。