日帰り離島!

国づくりの島「沼島」に行ってきた。





沼島は、南あわじ市に浮かぶ離島。



今月のはじめ、


実家に帰ったら


母が「明日、行こう!」と言い出して

急遽決まった母娘旅。








沼島へは、土生港(はぶこう)から定期船が出ている。








土生港から沼島汽船に乗り、
わずか10分で到着。






島に降り立ち先ず向かったのは、


吉甚(よしじん)


ここは、喫茶店 兼 観光案内所となっているので、一番最初に立ち寄れば間違いないだろう。(と行く前に下調べをした)




私が座っている木製の椅子のことを、島民はバッタリと言うそうで、併設されている「バッタリカフェ」の名は、ここから付けられたそうだ。



奥には山田孝之さんと、いとうせいこうさんの色紙が飾られていた。



この日はお盆で、ボランティアガイドの方がお休みだったのだが、平日はこちらでガイドを申し込むことも出来るとのこと。



今回は、ここのお母さんに、行きたい場所を伝えて、どう回るのが効率的かを教えて貰った。





絶対に外せないのは、




☑︎ 上立神岩(かみたてがみいわ)

☑︎ おのころ神社

☑︎食事処あさやま (昼食)



以上三箇所。



上立神岩は、
この島のシンボルであり、高さ約30mを誇る、国生み神話の象徴とも言える巨岩。

イザナギとイザナミが夫婦の契りを交わした際に周囲を回った岩「天の御柱」とも、国生みの際に使った「天の沼矛」とも語り継がれている。


おのころ神社は、
イザナギとイザナミ、二尊が祀られており、日本三大鳥居の一つといわれる大鳥居がある。





島全体の観光スポットを回る方法として、

おのころクルーズのツアーがあり、

大人1〜2名6000円で、
沼島の漁師さんが自らの漁船で沼島をぐるっと一周してくれるそうなのだが、




今回私達は、陸路を行くことにした。




まずは、吉甚さんを出てすぐの、
沼島八幡宮へ。


こちらは、

海上安全・四季豊漁のご利益があるらしい。

何とも島らしいご利益だ。





それから平坦な道がしばらく続き、小学校の通学路を行くと、徐々に坂道になっていった。



そして、
最大のお目当て、上立神岩に到着。




上立神岩は、
坂の上からと、正面から、眺めることができる。


まずは上から。





そして坂を下り、



今度は正面から。





波が高く、強く岩に打ち付けていた。



ここが、国づくりの始まりの場所かと思うと、感慨深いものがあった。







さて、

次の場所への近道は、
残念ながら来た道を戻るのみである。


、、きつい。



往路、永遠のように感じた道を、再度辿っていく。
太陽を遮るものなど無く、容赦なく体力を奪っていく。



途中東屋で小休止を入れながら、
目指すはおのころ神社



ともすれば見落としそうな神社の札を発見出来たのは、吉甚のお母さんが「倉庫のような建物が目印よ」と教えてくれたお陰である。



ここから山へ向かって階段が続いている。




いかにも歴史がありそうな神社の立て看板が地面に転がり、近くの井戸には沢蟹が5.6匹へばりついていた。



階段は、なおも続く。



おのころ神社へは、105段の階段があると聞いていたので覚悟してのぼっていたのだが、ここまでのそれは違ったらしい。




本当の105段は、ここからだった。



上まで行くと、絶賛夏バテ中の身体は悲鳴を上げた。




息が切れ、手を合わせることすら難しく、しばらく木陰で呼吸を整えると、



ようやく賽銭箱に小銭を入れて、手を合わせた。



裏側には、
二尊の銅像があった。




銅像の前の石碑も、勾玉の形に見えてくる。


そう、ここ沼島は、
空から見ると、島全体がまるで勾玉のような形をしているのだ。





益々、神秘的な島である。








そういえば行きのフェリーでは、両手にお菓子の入ったレジ袋を抱えた家族連れが沢山乗っており、


島に着くなり、この店へ吸い込まれるように入って行った。




島唯一のスーパー橋本商店では、
目に付いたものと言えば大きめのバナナぐらいで特段変わったものは無かったが、


島の人たちにとってもきっと、
そして海水浴目当てで訪れる人たちにとっても、ここは食料を確保するのに重宝しているようで、


一行は慣れたように大量の飲料を買い込むと、海の方へ流れて行った。





上立神岩とおのころ神社、当初の目標をクリアした私達は、ふとその情景を思い出し、彼らが向かった方角を目指して歩いた。






このために持って来ていたTシャツと短パンとビーチサンダルに着替え、
完全に海水浴客と成した私達は、


寄せては返す波を眺めたり、

足をつけてみたり、

ビーチサンダルが流されたりと

離島の海岸をひとしきり楽しんだ。


気が付けば1時間ほど経過していた。


ここの嬉しいのは、無料のシャワーとロッカーがあるところ。


べたついた身体を冷たい水で洗い流し、さらに薄いワンピースに着替えると、山登りで息を切らしていた時が嘘のようにサッパリと気持ちが良かった。



今回、着替えは2組用意していたのだが、夏に訪れるなら同様にするのを是非お勧めする。





それから、麦茶のペットボトルを凍らせて一人2本ずつ持って来ていたのも大正解だった。


が、一つの誤算は、二箇所回って海に着く頃にはほとんど飲み切ってしまっていたことだった。



海水浴場には"海の家"はおろか、自動販売機も無い。




そんなときの、そう、橋本商店である。





海水浴場からは離れているけれども、炎天下で海水浴を楽しむなら、必ず立ち寄ってから来ることをオススメする。





さて昼食は

あさやまさんで予約をしていた。



海水浴場から徒歩5分ほどだが、気を付けなければ見落としてしまう場所にある。


ただ、Googleマップにも表示されるので、携帯さえあれば大丈夫だ。




元は食事ではなく宿泊希望だったので、こちらの店をはじめ、島内全ての宿に電話をかけていたのだが、

早い所は4月頃から予約で埋まっているとのことで、

私達が予約の電話をかけたのは前日。


‥甘かった。






そんな話を店の方としていたら、





「えっ!?さっきキャンセル入ったんですよ。もし宜しければ、」

 




と言うではないか。








そんなことってある!?






想定外の出来事に驚きと興奮を隠せない。








が、待て。




さっき着替え全部使っちゃって、泊まる用の着替え無いよ。






・・・。






とりあえず食べながら考えようか。



というわけで、

ハモ定食(1800円)と
生タコ天ぷら定食(880円)を注文。




ハモのお刺身は、すだちを絞りお醤油を付けて頂く。






んっま。







んっっま!!!!






ハモの天ぷらを頂く。






さくっ、ふわ。






んっま。








あっま!!


んっま!!!!










え?









んっま!!!!!!











はじめてこんなハモを食べた。






ハモに気を取られてタコのことも忘れてはいけない。そもそも私が頼んだのは、タコだった。





そう、生タコ天ぷら定食。







待て待て、


タコ  天ぷら?






どうりで、

衣の中のタコが、




トゥルントゥルンのプリンプリンだ!!!





肌年齢で言うと3歳ぐらい。



 
口の中でリズムが弾ける。





そこへ店の方。

「夜のコース料理は、そちらのハモのお刺身、天ぷらなどが付いてきて、メインがハモのすき焼きとなっています(にっこり)」







・・・泊まる?




ご馳走食べたさに、泊まるか悩む。



本気で悩む。





私たちを悩ませる最大の問題は、着替えをすべて使い果たしていたことだった。




海水浴に行く前に店に立ち寄っていれば、この願ってもない幸運に手放しで飛びついていただろう。





ハモの美味しさに冷静な判断を失いかけていたが、まだ13時すぎ。


回りたい所は回ったし、寄り道しながらでも十分家に帰れる時間だった。








「せっかくですが、今回は‥」






声を絞り出した。







一度決めてしまえば諦めがつき、

むしろまだ時間も早いので、
戻って淡路島をぶらぶらしようという話になった。






さて土生港に戻るフェリーの時間まで、あと30分。


あさやまさんを出て、吉甚さんでお茶でもしようか。

そう足を向けかけたその時、




吉甚のお母さんが

「個人的に一番好きな場所」として

神明神社を挙げていたのを思い出した。




お母さんは、元は京都に住んでいたそうなのだが、この沼島に通う内に惚れ込んでしまい、島民になったのだそう。



そんなお母さんが、毎回足を運んでいたと言うのだから、最後に行ってみることにした。



ターミナルからは、少し迂回するルートにはなるが、白く綺麗な鳥居が特徴的な、神明神社に到着した。



手を合わせ、



「ここに来れて良かったです。
ありがとうございました。」



そう心の中で唱えると、船の出発時間まであと15分。




足早にターミナルへ向かった。





すると、バイクが一台、

横を通った。




なんとそのお兄さん、左手にバイクの持ち手、右手にハモを掴んでいる。





思わず振り返り、


「え!?すごい!」


と私が声を上げると、




バイクの速度がずんと落ちたのが分かった。



それどころか、道を曲がる前に、ハモを持つ手を上に挙げてくれ、また嬉しくなった。




お兄さんにハモを渡していた漁師さんの船を覗くと、白く長いハモがケースの中で揺らめいていた。




「今さっき、あさやまさんでハモ食べてきたんですが、すごく美味しかったです」と声をかけると


漁師のおじちゃんが

「そうかい。あさやまさんところは同級生がやってるねん。美味しかった言うとったって、伝えといてあげるわ!」



と、はにかんだ。





もう少し島の人と話していたい気持ちになった。



が、船は1時間に1本。




島を発つ最後に、
心を熱くさせてくれた出会いに感謝し、汗を滲ませながらその場を後にした。











小さな島ではあるものの、

未知なる力を感じる不思議な島、

沼島





次に訪れるときには海路で、
今度は島全体を見てみたい。



が、大袈裟ではなく、ハモを食べる為だけでも訪れたい島である。




この島の旅行記を動画にしたものを
近日中にyoutube にアップするので是非見てね。




是非、見てね  (念押し)





それでは。




cherish now... ひなの