書き出しは、飛行機の中にて。

勿論、機内モードにしていますが、下書きは出来るようなので。

今日は空の上で、まったりと物書きをしてみたくなりました。





新幹線の移動中の過ごし方については、以前ブログで少し綴りましたが、

新幹線というのは電車移動と同じ状況下なので、過ごし方も大して変わりありません。

でも飛行機というのは、勝手が違います。

まず電波を発する電子機器は使用できません。


気になったことを検索する事も、
誰かのSNSを閲覧する事も、
ラインやメールの返事も出来ません。

最近ではwifiが入るようになりましたので、可能になりましたが、わたしの携帯ではうまく起動しないか、しても速度が遅いので、ほとんど使っていません。


窓側なんかに座っていますと、お手洗いに立つ事が出来ません。

シートベルトを付けないといけません。

カバンは前の座席の下に置かねばなりません。



‥‥空の上は制約が多いわけです。


しかし、
できません、なりません、
では無い所に飛行機の魅力はあります。


飛行機からは、東京タワーやスカイツリーよりも高いところから街を見下ろすことができます。

鳥のように海を真上から眺められます。


霧をくぐれば、
ふかふか絨毯のような雲があって、
そこは真っ白な柔らかな世界。

これを見られるのが、飛行機の、そして窓際席の醍醐味というもの。

景色の変化。

目的地が見え、ぐんぐん近づいていくときの胸の高鳴り。

無二の感覚ですよね。



景色を見ることもなく、眠ってしまうこともありますが、
睡魔に負けない限りは、ドリンクサービスが回ってくるのを待ち、コンソメスープをいただいてから寝ます。




どの飛行機にも、前の座席の背もたれのポケットに、何冊か冊子が入っています。


安全のしおり、wifiの案内、
機内販売のパンフレット、
機内誌



皆さんお読みになりますか?


この奥に入っている機内誌。
これが私は好きなのです。


ここには、観光情報だけでなく、エッセイやコラムが載っているので、最初から最後までペラペラとめくったのち、気になったものだけ読み込みます。


その中で、とくに言葉の遣い方や、話の内容が興味深かったものに、
私から勝手に、審査員特別賞を送ります。


 全く何様のつもりかと言われそうですが、
良かったです!
ここのこの言葉が好きでした!
と心の中で語りかけ
作者の名前を再度確認して冊子を閉じる。
という、自己満足でしかない習慣です。


本日乗っているのはJAL国内線。

機内誌はSKYWARD 11です。

実は4日前にも同じものを読みましたので、今日はこうしてブログの記事を書いているに至ります。


そして先日特別審査員賞を送った方のエッセイだけ再度読み返しました。


停電の夜
文 浅田次郎 さん

暑い夏の日の午後、
突然にやってきた雷が暑気を冷やしていき、
"「ざまあみやがれ」"
と夏を罵る作者ですが、そのうちプツッと家中の電気が切れ、停電になります。

"雷雲は「ざまあみやがれ」と捨て台詞を残して、東の空に去って行った。"

と、同じ言葉を反復し、雷雲が夏の味方をして仕返ししてきたかのように表現されている部分がとくに面白かったです。

 
日常をほんわか綴ったものが好きですね。


忙しいとなかなか読書をする時間が取れず、否、読書の時間を作ろうとせず、
ほかのことに時間を費やしてしまいがち。

台本を覚えたり、仕事の連絡をしたり、ラインの返事をしたり、SNSを更新したり、洗濯したり、テレビを見たり、

挙げ始めたらキリがありません。

逆に言えば、なにか削れば読書の時間は取れるということ。

それをしないのは、
没頭してしまう怖さから。

ひとたび本に入ってしまえば、なにか、だけでなくすべて、削ることになってしまう性分。

ですから、短編のものを読むですとか
今日のように飛行機移動があれば、その時間を有効利用して、文章に触れる、ということは、意識的にするようにしています。

これは、おすすめです。


こうして意識的にでも
「読む」ということをすると

知らない言葉が沢山あるなと思い知ります。

思い、知ることができます。

わからない熟語があれば
メモをしておき調べる。

そうすると自分の中にひとつ、ふたつと言葉が増えます。


出来事を、
こんなふうに切り取れるのかと
情景を、
こんなふうに表現できるのかと

その発見も嬉しい。


先にも述べたように、最近はほかのことに時間を費やしてしまいがちですので
そんななかで私が本を手に取るときは


   よほど時間に余裕があるときか、

   よほど心に余裕がないとき。


そう、良い本は、良い文章は、
心を助けてくれる。
ちがう見方を示してくれる。
言葉を教えてくれる。
知識を増やしてくれる。


飛行機移動に機内誌をと勧めましたが
車移動が多い方は、当然移動時間に読書というわけにもいかないでしょう。
でも、
文字や文章に触れる時間をどこかで作ることが叶うなら、きっといろんな発見が出来るでしょう。



願わくば、わたしのブログも、
今読んでくださっている方々にとって、
ふいに手に取ってみた機内誌のようで在れたらと。



そんなことを考えながら。



紅葉が見頃になったかと思えば、冬が駆け足で近寄ってきている今日この頃。


ちなみに、
わたしの一番好きな季節は
夏です。

ですが季節を擬人化すると、
秋が一番すてきな人だと思います。

魅力がたくさんあるのに
それをちっとも鼻にかけず謙虚な人。

そんな勝手なイメージを抱いています。


そこへ駆け寄る冬は
一体どんな人でしょう。


なんて、ね。
こんな妄想話ばかり書いていたら
前の座席のポケットからなかなか取り出して貰えそうにないですね。(笑)

私も日々勉強です。


今夜はこのあたりで。



読んで頂きありがとうございましたうさぎ


cherish now... ひなの