縄文時代は狩猟採集の文化だと言われるが実は当初採集に頼っていた主食の栗を徐々に栽培に移していたらしいことが分かっている。世界でも狩猟採集メインの生活様式から徐々に農業(穀物栽培と畜産)を発展させ、結果として人口が爆発的に増えて行った。
その結果として生態系の秩序を大いに変え莫大な数の人間とそれを支える栽培植物及び家畜という自然界から乖離したピラミッドを作り出し地球全体としての生態系のバランスを大きく崩してしまった。
こんなことは長く続く訳がない、という反省を実は今我々の農場で実際に経験しているのです。
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梅原デザイン事務所 梅原 真 様
いつも有り難うございます。
はぁ、春ですね。桜はまだ咲いてませんがこれだけ一気に暖かくなると春になった気分が高まります。暖かくなったのはいいけどうちのチキンどもは一向に卵を産まない。期待の星だった昨夏に生まれたヒヨコちゃんたちも今ではすっかり大きくなりました。体だけは。
彼女らも初めは割と順調に産み始めていたのですが産卵率が2割のところで頭打ち。結局昨年の先輩チキンらと同様無産卵鶏だらけのただのペットとなり下がってしまったのでした。
通常の工場で飼育される鶏の産卵率ピークが90%以上と言われる中でたったの20%では趣味で飼っているペットと言っても過言ではありません。おまけに産卵率は上がらないのに餌代だけはバカみたいに上がっている。これから私はバカみたいにエサ代高いのに日本一多くの鶏をペットとして飼っている暇なオジサンとしてユーチューブで売り出してくことにします。
と、ヤケクソになったところで。
以前紹介したようにウイルスのせいだと確信していたのですが、我らが優秀な(イヤミなり)家畜保健所との一年にも渡る分析にも関わらず未だに明確にこれだという原因が特定できていないのが現実です。
日の丸を背負った彼らにとって小さな養鶏場が一つ潰れても仕事が楽になることはあっても生活に困ることはない訳です。むしろ高知県で鳥インフルエンザに対して最も危険な養鶏場が無くなれば晩酌のビールが少しは美味しくなるのかも知れません。
やや、嫌味ばかり言っていても始まりませんね。
なんてったって高知県は養鶏過疎地なのです。家畜保健所が熱心でないのは分かり切ったこと。それはずっと前から承知していたハズです。だから調子が悪い時ばかり公共機関に頼ろうというのは虫のいい話(いや本来はそうあるべき機関のハズですが)。
ともかく何が悪かったのかを一年振り返って分析・考察した結果を簡単に挙げてみると、①放し飼い養鶏を過信していたためほぼ全くワクチンを実施しようとして来なかったこと。②放し飼い養鶏をするには規模が大きいのではないか、ということ。です。
①ワクチンに関しては国の機関が20回ものプログラムを推奨しているのにニワトリノニワではたったの2回だけ。昨年から急きょ増やしましたがそれでも5回だけ。本当は日本や、いや世界中がうちのような少数飼いの放し飼い養鶏だらけなら滅多に問題は起こらないかも知れません。
しかし近代養鶏は一か所で100万羽以上にもなるような過密大量飼育なのでそこで発生或いは感染したウイルスをこのご時世の物流が少なからず運んできてしまうのです。従って放し飼いだからと言って健康だから大丈夫という訳には行かないのだと思います。
②また規模に関して言えばニワトリノニワでは一昨年まで産卵鶏が千羽の規模でした。養鶏場としては極小規模ですがそれでも様々なリスク、例えば天災・気候変動・世界情勢などに対して脆弱なのだと思います。要するに販売目的であれば産卵数の増減などによる小売りへの迷惑などをリスクヘッジせねばならないので産卵数を一定以上に維持する必要がある。
このため飼育羽数を一回り多めにしたり、エサも成分が一定しないため地元で出される食品残渣などは使えず養鶏飼料として販売されている成分表示のある高価なものでなければならない。更に台風や雪による影響から産卵数が一時落ち込んだと言っては一喜一憂することになる。
そんな天災などによる影響は誰のせいでもなく、減っちゃったね、とか言って笑っていられるのが本当ではなかろうか。
以上のことを踏まえると、自給自足程度の規模で自分の食べきれない余剰分をおすそ分け販売する、くらいの農業があらゆるリスクに対して強いのだと考えます。
いや、こんなこと始める前から分かっていたことですが12年経って改めて原点回帰すべきという神の声が。
いや、目覚めよと呼ぶ声が聞こえ・・・(バッハのヤツ)
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