諸見里しのぶ選手が予落して考える時間ができました。

女子プロゴルフがどのように構成されているかということです。

メディアの報道やブログは大半が競技成績や女子プロの選手についての記述が多いので「スポーツ」としての見方をしています。確かに競技、試合ですから誰が優勝するか、どういう試合展開になるかということが注目されます。

女子プロゴルフの根幹にあるのは「日本女子プロゴルフ協会」の存在です。この協会の下に「試合」が構成されます。試合ですから「選手」が必要ですし、賞金を提供するスポンサーが必要です。

私たちファンが選手を応援できるのも協会が試合を開催するからですし、選手は賞金を目指して練習して試合に臨んできます。

試合の運営については協会は各試合を運営会社に任せています。サントリーレディスの解説にも登場する戸張さんも昔はダンロップの社員でしたが今は独立して運営会社のトップとして試合に関わっています。

また試合には近年ボランティアを採用してリーディングボードや駐車場整理、フォアキャディなどの役割を任せている試合も多くなりました。昔はアルバイトの学生などでやっていたのですが、団塊世代の大量退職などを経て「試合の関わりたい」という人が多くなったのでしょう。何百名もの人がボランティア・・・つまり無料奉仕をするので大会の運営としてはコストダウンになります。

そして、女子プロゴルフの実質的な権限を持っているのは「テレビ会社」です。協会には放映権という形で金銭対価が入ってきます。民間放送が大半ですからテレビ会社はCMを流して収入としているわけです。今週はサントリーが冠スポンサーですから、CMもサントリーが多くなります。

テレビ会社とCMスポンサーの関係に注目しておく必要があります。女子ゴルフファンの中には優勝争いしている選手よりも人気選手ばかりが放映されておかしいのではというご意見もありますが・・・

今週の例を上げればサントリーは飲料会社ですから、テレビCMの発注者としても巨大な力を持っています。飲料は基本的に消費者に直接購入されることで売上、利益を確保しているわけでCMによっての購買促進は利益を確保する経営政策の中では重要な位置を占めています。藍ちゃんのスポンサーですから藍ちゃんという「広告塔」を掲げていることに大きな意味があるわけです。優勝には関係なくとも藍ちゃんの映像が多いのは仕方がありません。また、年間を通じて広告しているわけでそれが藍ちゃんの人気を支えていることも事実でしょう。藍ちゃんが試合が上位にて優勝争いをすればCM以外のところで広告をすることになります。これはアサヒ飲料と契約しているさくらちゃんにも言えますし、古閑美保さんはキリンビバレッジとの関係です。藍ちゃん、さくらちゃんはビールの宣伝には出てきませんが古閑さんはビールの宣伝に出てきていたと思います。


選手のスポンサーと試合のスポンサー・・・この関係・・・端的に言って「視聴率」意識してテレビ放映される露出時間があると考え良いでしょう。

そして、女子プロ協会も選手の供給という面では「JGA」日本ゴルフ連盟との関係が強いわけで前会長の樋口さんが、JGAのジュニア育成、ナショナルチームの活動が有望な若手選手の供給源になっていると言われてきました。確かに現在活躍している日本人選手の大半はナショナルチームに在籍していた人が大半です。JGAとしてはジュニアの力量をつけるということに重点を置いて年間数回の合宿や体力測定などをして選手強化をするとともに海外の試合に選手を派遣するということもやっています。

テレビ会社とともに女子プロゴルフを支えているのは「用品用具メーカー」です。選手に用品、用具を供給することでテレビや雑誌に選手が登場する度にCMになっているわけです。1本何万円もするドライバーを生産販売しているわけでゴルフマーケットの主役の1つでもあります。試合の中では選手をサポートする為に自社のサポートカーを派遣して選手の意向に従って用品の調整をしています。全盛期のジャンボ尾崎はブリヂストンとの契約をしていてお互いが良い関係でしたが、ブリヂストンとの契約が破棄されてからジャンボも奮わなくなってきました。用品用具メーカーとの契約は簡単ですが難しいものがあります。今シーズンは藤田幸希選手がマグレガーからホンマにクラブ契約を変えて成功しています。

ボールについては大抵の選手が契約をしています。アメリカではタイトリストの契約プロが一番多いと聞いたことがありますが、日本ではBSやSRIなど国産勢が優勢のようです。テーラーやタイトリストも中々日本では苦労しているのかもしれません。

今日のところはこんなところで・・・