夫が乗り移っている | 私も一緒に連れて行って

私も一緒に連れて行って

夫と死別。ふたり家族でした

夫との旅行でよく南紀に行っていた。

定宿もあって、お詣りする神社も決まっていて

何度も訪れた親しみのある場所。

思い出の地になってしまった。


うちからかなり遠いので車はきついけど

荷物を考えると長い旅行の場合は車が楽で

二人で交代で運転し、あちこち回った。

帰りは必ず、その季節だと柑橘類を沢山買って

車中は色んな種類のミカンの山だった。

はっさく、オレンジ、いよかん、普通のミカンetc.

特に山の脇道にそれて探す無人販売が面白くて

見つけては停まって買ったな。

夫も私もケラケラ笑って小銭とミカンを抱えて楽しかった。


夫と結婚して私のミカン消費量は格段に上がった。

リンゴもそう。

夫は果物が大好きなので必然的に私も食べる機会が多くなる。

亡くなって夏は桃、秋冬は柿(干し柿以外好きじゃ無いのに供えるという・・・)

そして今の季節柑橘類だ。

供える程度に買うつもりが、今、八朔が山になっている。

毎日毎日一つ、二つと買い続け、食べ続け、常時10個はある。

夫の遺影前にはピラミッドの様に五つ積んでいる。

おやつに八朔、食後に八朔、小腹が空いたら八朔。

こんなに食べるのはおかしい。

あの人かな。

夫が私に憑依しているんじゃなかと思うほどの柑橘生活だ。

これ以外にも夫が好きな物を

私が食べるという現象が多数見られる・・・

・・・ま、ただ夫が好きな物を買うからというだけなんだよね。

なんだかんだ夫にこじつけたくなる。


憑依していたらこうじゃないものね。

あの人の好きな曲は聴かないし。というか聴けないし。

好きなテレビ番組も見ない。

オープニングとエンディングテーマがきつくて見られない。

視聴予約するほど好きな番組。

一度見たことがあったけどテーマ曲を聴いて夫が浮かび

たまらなくなってチャンネルを変えた。


でもやっぱり、こんなに家に八朔があるなんておかしい。

夫が私を笑わせようと買わせているんじゃないかって思ってしまう。

あの人は食べてたけど、私は食べなかったよ。

去年はこんなに。リンゴだって。

 

夫が近いと感じられるのなら何でもいいや。

 

そろそろ私達のみかん旅行の季節だね。パパ。

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