お母さん、ごめんね | 私も一緒に連れて行って

私も一緒に連れて行って

夫と死別。ふたり家族でした

病室には弟さん、私の母と兄と私の4人。

完全看護のICUである。

夫の数字はひとまず安定していた。

一時間程たち、誰も言い出す様子が無かったので私は「そろそろ帰りますかね」と言った。

中高齢である私の母は高齢者である。今日のショックと疲れが心配になったのだ。

病院で弟さんと別れ、母と兄と私達の自宅に帰る。

兄が持っていた荷物が沢山有り(随分大荷物だなぁ・・・)

一体何を持ってきているのだろうと思った。

そして兄が帰り母は残った。明日帰るのだろうと思っていたら

母 「ももこが一人ではかわいそうだから、私数日泊まるわ」

え??数日?連泊???

連泊するつもりの大荷物だったのだ。

本当にありがたい気持ちだけど気持ちだけで良いのよ。

このマンションに慣れていない母がいるとご飯の事とかお湯の出し方とか

色々な事に気を配らないとならない。

母は 「ももこの、これどうするの?」「ももこの、これ何なの?」 「ももこの、何食べる?」「ももこの、買い物したいけどどこに行けば?」

ももこの、ももこの、とあふれる質問に対応しなければならない。

高齢の母にとってこの土地とマンションは未知の世界でありストレスなのだろう。

今は夫の事しか考えられない。それで精一杯だ。

しかし母がいてくれるのは力強いしありがたい。

ありがたいのだが・・・病院では夫、家では母の事を考えるのは私のキャパシティを超えた。

夫のことで精一杯なのだ。

それを説明し断った。

母は 「失敗した・・・兄クンと一緒に帰れば良かった・・・」

それはそうだ。一緒に車で帰ったらどんなに楽だったか・・・

私も道中を心配しなくて良いのだし。

母が連泊する予定だった荷物は宅急便で実家に送った。

本当に本当に気持ちはありがたいのだ。

お母さんごめんね・・・