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【黄色い自転車 おいちゃん vol.4】
私の子どもの頃は、うちには毎年数百枚の年賀状が届いていた。
私は、元旦から、届いた年賀状を分けるのが楽しみだった。
いつもおいちゃんには、1枚しか年賀状が届かなかったのを覚えている。
祖父母や両親にはたくさんの年賀状が届くのに、1枚の年賀状をおいちゃんに渡しに行く時、私は切なくなった。
1枚だけの年賀状は、おいちゃんがお得意様だった自転車屋さんからのものだ。
おいちゃんは免許がなかった。
だから、結構自転車にお金をかけていた。
自転車は定期的に買い換えていたし、色んな部品をつけていた。
車のように、左右の後ろを確認するためのミラー、冬は手を覆うハントルカバー、そして、極め付けは、パフパフ鳴らすラッパみたいなクラクション。
かなり個性的ないでたちの自転車だったが、おいちゃんは、すごく大切にしていて、ちょくちょく自転車屋へ行っては、バージョンアップしていた。
自転車に乗って、どこまでも出かけて行った。
若松からうちに帰ってきた時も、自転車だったらしい。
昔は、空気の入らない、ゴムだけでできたタイヤだったそうだ。
そんなタイヤで舗装されていない道を長く走るのは大変だったと思う。
これは余談だが、昔は、自転車は貴重品だったから、うちにはおいちゃんの自転車とおじいちゃんの自転車しかなかった。
だから、母が子供の頃(私は、母方の祖父母と暮らしていた)、駅までは、自転車で4人乗りで、出かけていたらしい。
おじいちゃんがこいで、おばあちゃん、母、母の妹4人がいったいどうやって乗ってたんだろう?と不思議に思った中国雑技団?今でも想像できない。
私が中学生の頃、誕生日に父から自転車を買ってもらったことがある。
それは、デパートで買ってもらったオシャレな黄色い自転車だった。
近所には売っていないデザインで、なかなか気に入っていた。
個性的なハンドルに、オシャレな籐のカゴが付いていて、泥除けもなかった。
ある日、学校から帰ってきて、納屋の前に停めてある自転車を見て私は目を疑った。
私のオシャレな自転車が改造されていた。
前後に真っ黒の泥除けがつけられ、ハンドルには左右にバックミラーが。
せっかくのオシャレな自転車が、、、。
私は愕然とした。
おいちゃんは、私が喜ぶと思って、私に内緒でいつもの自転車屋へ私の自転車を持って行き、色々とつけてくれたのだ。
おいちゃんには何も言えなかった。両親には文句言ったかな。
でも、結局、そのまま乗っていた。
やっぱり泥除けはないと、雨の次の日とか、真っ白な夏の制服が汚れてしまうからだ。
おいちゃんと自転車、いつも一緒だった。
ちょっと切ない、おいちゃんと私の思い出。
続く。
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