今回考えるのは、前回に引き続き、日干が己(つちのと)の人の今年の運勢です。
日干というのは、生まれた日の干支(十干と十二支の組み合わせ)を構成する十干(じっかん)のことで、その人自身を表します。
今回取り上げる己は、「陰の土」という性質を持ち、畑に例えられます。
今年の干支は甲(きのえ)辰(たつ)。
この干支を構成する辰が及ぼす影響は複雑で、そのことについては、こちらの記事に書きました。
ですので、甲辰という今年の干支のうち甲が及ぼす影響だけを解説します。
冒頭に記載したとおり今回取り上げるのは、日干が己の人ですので、年運で巡ってきている甲が日干己の人に対して及ぼす影響を見てみます。
日干己と、年運で巡ってきている甲は、干合(かんごう)します。
己と甲との干合によって何が起きるかは、生まれた時期によって異なります。
1つ目のケースは、土用の期間に生まれた場合です。
土用の期間というのは、立春直前の18日間、立夏直前の18日間、立秋直前の18日間、立冬直前の18日間です。
ただし、土用が始まる日によっては、18日間ではないこともあります。
土用の期間に生まれた人の日干が己である場合、年運で巡ってきている甲が戊(つちのえ)に変化します。
年運で巡ってきている甲は木の性質を持つのに対し、甲から変化した後の戊は土の性質を持ちます。
2つ目のケースは、土用の期間以外に生まれた場合です。
土用の期間以外に生まれた人の日干が己である場合、年運で巡ってきている甲は甲のままですが、甲の力が増大して2倍になります。
前回は、1つ目のケースを扱いましたので、今回は、2つ目のケースを扱います。
日干が己で、土用の期間以外に生まれた人に対して、今年の年運で巡ってきている甲が及ぼす影響を考えます。
まずは、日干が己で、その己が喜神(自身にとって好ましいもの、力が大きい方が良いもの)の場合を見てみます。
このタイプの有名人には、薬師丸ひろ子さんがいます。
薬師丸さんの命式は以下のとおりです。
年柱 甲(きのえ)辰(たつ)
月柱 庚(かのえ)午(うま)
日柱 己(つちのと)丑(うし)
時柱 癸(みずのと)酉(とり)
日柱にある己(つちのと)が日干(自分自身)です。
今年の年運で巡ってきている「甲」と、日干「己」が干合します。
薬師丸さんは6月9日生まれで、この日は土用の期間中ではありません。
土用以外の時期に生まれた人の日干が己だと、今年の年運で巡ってきている甲との干合により、年運の甲の力は倍増しますが、日干の己はそのままです。
今年の年運で巡ってきている甲は、日干己から見ると、正官(せいかん)という通変星に当たります。
今年の年運「甲」は、五行では木の性質を持ち、日干「己」は、五行では土の性質を持ちます。
木と土との間には、
「木は火を剋する」
という相剋(そうこく)関係があります。
「木は土を弱める」と言い換えることもできます。
日干「己」が喜神である場合、今年の年運で巡ってきている「甲」は、原則的に忌神です。
喜神(自身にとって好ましいもの、力が大きい方が良いもの)である己を、甲は弱めるからです。
上記のとおり日干が「己」の人にとって「甲」は正官なので、忌神の正官が悪い形で作用します。
具体的にどんな作用を及ぼすかと言うと、
・気力が低下しやすく、やる気が沸いてきません
・ストレスを感じやすく、物事をやり遂げることができません
・色々なことが億劫に感じます
・人と接するのが面倒になります
・不安感が出やすいため、対人関係で問題が起きることがあります
・仕事では現状維持ができれば上出来です
・男女とも恋愛運が低迷します
日干が己で、その己が忌神(自身にとって好ましくないもの、力が小さい方が良いもの)の場合
日干己が忌神である場合には、今年の年運で巡ってきている甲が喜神であるケースと、忌神であるケースがあります。
まず、日干己が忌神で、今年の年運で巡ってきている甲が喜神であるケースをみてみます。
このタイプの有名人には、山口百恵さんがいます。
百恵さんの命式は以下のとおりです。
年柱 戊(つちのえ)戌(いぬ)
月柱 乙(きのと)丑(うし)
日柱 己(つちのと)亥(い)
時柱 戊(つちのえ)辰(たつ)
日柱にある己(つちのと)が日干(自分自身)です。
今年の年運で巡ってきている「甲」と、日干「己」が干合します。
百恵さんは1月17日生まれで、この日は土用の期間中ではありません。
土用以外の時期に生まれた人の命式の日干が己だと、今年の年運で巡ってきている甲との干合により、年運の甲の力は倍増しますが、日干の己はそのままです。
今年の年運で巡ってきている甲は、日干己から見ると、正官(せいかん)という通変星に当たります。
百恵さんの日干である己は忌神、今年の年運で巡ってきている甲(通変星では正官)は喜神です。
喜神の正官が良い形で作用します。
具体的にどんな作用を及ぼすかと言うと、
・正義感が強くなります
・責任感が増します
・忍耐力や自制心が備わります
・女性は男性運が良くなります
最後に、日干己が忌神で、今年の年運で巡ってきている甲も忌神であるケースをみてみます。
このタイプの有名人には、フリーアナウンサーの大橋美歩さんがいます。
大橋美歩さんの命式は以下のとおりです。
年柱 戊(つちのえ)午(うま)
月柱 庚(かのえ)申(さる)
日柱 己(つちのと)酉(とり)
時柱 丁(ひのと)卯(う)
日柱にある己(つちのと)が日干(自分自身)です。
今年の年運で巡ってきている「甲」と、日干「己」が干合します。
大橋さんは8月15日生まれで、この日は土用の期間中ではありません。
土用以外の時期に生まれた人の命式の日干が己だと、今年の年運で巡ってきている甲との干合により、年運の甲の力は倍増しますが、日干の己はそのままです。
今年の年運で巡ってきている甲は、日干己から見ると、正官(せいかん)という通変星に当たります。
大橋さんの日干である己は忌神、今年の年運で巡ってきている甲(通変星では正官)も忌神です。
己(五行では土)が忌神なら、その己を剋する甲(五行では木)は必ず喜神になりそうですが、実はそうではありません。
ここが喜神・忌神の判断の難しいところです。
この判断についてのご説明は今回は割愛させていただきますね。
話を戻すと、今年の年運で巡ってきている甲(通変星では正官)は忌神ですから、
忌神の正官が悪い形で作用します。
具体的にどんな作用を及ぼすかと言うと、薬師丸さんの場合と同じです。
このように、今年の年運で巡ってきている甲の及ぼす影響がどんな形で現れるのかは、日干が己で同じであっても生年月日によって異なりますし、生年月日が同じであっても、出生時刻によって異なります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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