<第75回記念 二紀展> 京都市京セラ美術館

 2023年2月23日 木曜日・祝日(天皇誕生日)


天皇誕生日の祝日に京都へ。

<第75回記念 二紀展>を観に京都市京セラ美術館へ。

二階の展示会場でみる百号以上の大作。

天井高は、二層吹き抜けの高さがある。

プライベートギャラリーとは違った
空間で鑑賞する匠が創る生活空間。

異次元にトリップする体験を意識できる美術館鑑賞とは如何に。

ホワイトキューブとしての新しい美術館は、
人工照明や空調が管理されていて、室内環境の制御が行き届いてる。

だから、ニュートラルな指向性によって、
異次元へのトリップ体験を阻害しているのだ。

同じ京セラ美術館でも、
新しく構築された展示棟、東山キューブで、去年、

<アンディ・ウォーホル・キョウト>展を観た。

如何に、本館の二階の展示空間との差異を感じのである。


京セラ美術館に改修される前は、神宮道に面する二階の陳列室の部屋の高窓から、

夕方になると西日が差し込んだ時、部屋全体が黄金に輝く時がある。

普通の家ならば、三階建てに相当する天井高を持つ陳列室で、

絵画の大作を見ている時に至福の経験を感じることもある。

人間工学が発達したために、室内環境のコントロールが容易になった。

夕日の日差しを取り込んで演出されるスペシフィックな室内空間は、

どこへ行ってしまったのだろうか。

そもそも、日本家屋は、庭の中に建つ、戸建て住居であった。

だから、朝昼夕と、太陽高度の違いから、室内に差し込む陽光も時間と共に変化し、

陰翳を以って、室内の照度も変化していく。

だから、刻の流れを感じる。

こうした時間の変遷さえも、人工空間に変容したがために失ったのである。

自然環境を取り込んだ採光の展示室から、絵画を鑑賞する醍醐味を志向する。

その為に、第75回記念・二紀展を京セラ美術館で鑑賞した。