※今回は2012年4月13日(金曜日)のお話になります。内容は18歳の真壁くんvs高校3年生の愛良ちゃん(意味不明ですみません)です!!
『13日の金曜日 1』
「なんだろう?」
学校から帰るとリビングのテーブルの上に、ずいぶんくたびれたキルト地の巾着袋が置かれていた
「おかえりなさい、冷蔵庫にケーキがあるけどまだ食べちゃダメだからね」
キッチンから顔を出したおかあさんの声はいつもの3割増しで弾んでいる
そうだった
今日は4月13日
「はいはい、おとうさんの誕生日だもんね。ところで、これってなあに?」
フェルトのボクシンググローブが縫い付けてある手作り感満載の袋はきっと
「それは、昔おかあさんが作ったやつで…」
やっぱり!!
「お父さんの18歳のお誕生日にプレゼントした物なの。さっきクローゼットの整理をしてたら見つけちゃって」
18歳!?
てことは、今から26年前ってこと!?
「ずいぶん物持ちがいいね…っていうか、おとうさん相当嬉しかったんだろうね」
今でも後生大事に持っているくらいだもん、もらった時はさぞ喜んだに違いないよね
あたしも明日は大事な用事があるし両親の惚気話を聞いている暇はないんだけど、つい口に出してしまった余計な一言で
「それは…どうかしら?」
なぜか、おかあさんの表情は曇ってしまった
「嬉しかったに決まってるじゃない。恋人に手作りの誕生日プレゼントもらって嬉しくない人なんていないでしょ?」
おとうさんのことだから、素直に喜んだりはしなかったかもしれないけど
「それはそうなんだけど、実はね…これをプレゼントした時、おとうさんはわたしと別れるつもりだったみたいなの。実際、それから少しして『別れよう』って言われちゃたし」
はいいっ?
で
なんであたしはこんなところにいるんだろう
「あーあ、バレたら絶対怒られるよね?」
しかも、各方面に
わかってはいるんだけど、やっぱり確かめずにはいられなくて
魔女修行をさせてもらっている魔界の先生の家にこっそりやって来たあたしは
禁断の『過去への扉』を使って、おとうさんの18歳の誕生日に行ってみることにした
どうか
バレずに帰って来られますように
※次回に続きます↓