※今回はもう何度目か分からない『あれっ?この話、前にも読んだよ!?シリーズ』です
だいぶ前に消しちゃったけど一昨年の七夕にやったネタをバレンタインバージョンでリメイクです![笑い泣き](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/015.png)
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『chocolate 1』
「チョコレートを売る?食うんじゃなくて?」
登校途中に大きなあくびをしながら、彼が不思議そうに聞き返してきた
「うん、もうすぐバレンタインでしょ?デパートの催事コーナーでアルバイトするの」
2月に入って学年末試験も終わり学校もほぼ休みになることもあって、友達と短期のバイトをすることを教えると
「ふーん、つまみ食いするなよ」
「…しません、っていうか出来ません」
いったいわたしをなんだと思ってるんだろう、という微妙な反応が返って来ただけで
彼には内緒の計画には気づかれてないみたいで、ほっと胸を撫で下ろした
数日前
「どうしたの?」
学校の休み時間に一緒にいた時、彼が自分の腕時計をじっと見つめているのに気がついた
「最近しょっ中遅れてたんだが、完全に時間が狂っちまった」
「電池切れじゃない?」
「いや、この前ジムの更衣室で落としちまったから…たぶん壊れたんだろ」
それ以来、彼が腕時計をしているのを見ていないから、やっぱり使えなくなったんだと思って
ちょうどバレンタインの時期だし、チョコレートじゃなくて新しい時計をプレゼントしてあげようと決めてアルバイトをすることにしたんだもん
アルバイトと言っても彼がやってるような肉体労働でもないし、空調の効いた店内で可愛くラッピングされたお菓子を販売するのは結構楽しくて
5日間のバイト期間はまたたく間に過ぎて行き、バレンタインデー当日の夕方には終わってしまった
「そろそろ帰ってるかな?」
しばらく会えていなかった彼のアパートを、もらったばかりのバイト代で買った腕時計を手にドキドキしながら訪れると
「よお、バイトは終わったのか?」
ちょうど彼が玄関の鍵を開けて、中に入ろうとしているところだった
「う、うん。おじゃましていい?」
「いいに決まってんだろ…どうぞ」
あれっ?
気のせいかな?
優しく笑って部屋に招き入れてくれた彼が、なんだか少し元気がないように感じて
さっきまでの明るい気分に、急に暗雲が立ち込め始めた
continue(次回に続きます)↓
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