『propose〜after story〜2』





「するって、なにを?」


「なにって…それは、あの。」


腕の中に閉じ込めたわたしを楽しそうにからかったあと


「部屋片付けとくから、お先にどうぞ。」


軽くキスをして立ち上がった彼の言葉に甘えてお風呂を済ませ、部屋で髪を乾かしているうちに


「すごい雨。」


窓を打ちつける雨音はどんどん激しさを増していき


「やだ。」


ゴロゴロという大嫌いな雷の音までし始めて


「雨、ひどくなってきたな。」


お風呂から出て来た彼の声にほっとして振り向いた瞬間、稲光と同時に雷が落ちた音に驚いたけど


「!」


悲鳴を上げるよりはやく、彼のたくましい腕に抱きしめられていた


「停電…したみたいだな。」


「う、うん。」


真っ暗になった部屋の真ん中で


密着している彼の上半身が何も身に着けていないことに気がついて、今度は別の意味で変な声を上げそうになる


おまけに


さっきから耳に響いているドクドクという激しい鼓動が、彼の胸から聞こえていることに気がついて


「緊張…してるの?」


思わず口に出してしまったら


「るっせぇ。」


強引にお布団の上に押し倒され、あっという間にたくしあげられたパジャマの中に侵入して来た大きな手が


「えっ?ちょっと、まって。」


決して大きいとは言えない膨らみを包みこむようにして弄び始めた





まさか


2度目の方がこんなに緊張するとは思わなかった


プロポーズの勢いで抱けたような気さえする初めての時と違い


普通に食事や会話をした後で彼女を目の前にすると、信じられないほど鼓動が高鳴っていくのを止められず


「心臓の音、すごいね。」


指摘されてしまったことで焦ってしまい、お世辞にも丁寧とは言い難い不器用な愛撫を続けていると


「んっ!」


華奢な体が俺の指や唇ではなく雷の音や光に反応しているような気がして更に心が折れそうになってしまう


それでも


「耳を…」


「え?」


「雷が怖いなら耳を塞いでろ。」


なけなしのプライドを捨ててそう言うと

   

「ちょっと、まって!」


何かを察知したのか体を起こそうとした彼女を抑えつけ


「悪い、待てない。」


前回は初めてということもあって、遠慮がちに触れていた場所にも容赦なく唇を這わせ舌で濡らしていくうちに


「やっ、ダメ…」


腕や背中に痛いくらい爪を立ててしがみついて身を捩る姿に、頭が真っ白になって何も考えられなくなる


「…っ」


このままではすぐに限界を迎えてしまいそうで、ひとまず深呼吸して体勢を整えようと


「ダメって、何が?」


唇を重ねながら柔らかい頬をそっと指先でなぞってみる


「怖いから…ダメ。」


「だから、何が怖いんだよ。雷か?それとも…」


おそらく俺なんだろうと覚悟して聞いた質問の答えは、かなり意外なものだった


「わたし…自分が怖い。」






continue(次回に続きます)↓

※一回誤って消してしまい、一から書き直したためちょっと変わってしまっているところがありますタラー



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