※今回は再びプロポーズ後のお話になります。
『get drunk 2』
ボクシング部のみんなにお祝いしてもらい、かなり酔った状態でアパートの部屋に帰り着き
部屋に入るなり眠り込んでしまった彼のシャツのボタンを外しているととっても不思議な気分になった
だって
いつも一方的に脱がされるのはわたしの方だから、こんな風にボタンを外している時に彼もやっぱりドキドキしているのかな…なんて考えて
長袖のコットンシャツのボタンをすべて外すと薄いアンダーウェアの下のたくましい胸に触れたい衝動を抑えられなくなってしまった
ゆっくりと呼吸に合わせて上下する上半身をそっと撫でるように触っていると
「寝込みを襲ってんじゃねーよ」
目を覚ましたらしい彼に抱きすくめられてしまった
「お、襲ってなんかいません!洋服のまま寝ちゃってたからボタンを外してあげてただけで…」
「…」
彼はまだ意識がはっきりしないのか、わたしを腕に抱いたまま再び寝息を立て始めてしまった
「ねぇ、大丈夫?お水飲める?」
「ああ…」
緩められた腕の鎖を解き、彼の上半身を抱き起こしてお水を入れたコップを手渡そうとしても何だか危なっかしくて
手を添えたまま少しずつ飲ませてもすぐに「もういい」と言ってわたしの胸にもたれかかって目を閉じてしまった
普段はわたしよりずっとしっかりしている彼のこんなに無防備な姿はとっても珍しい
わたしにされるがままの今夜は何だか小さな子供のように可愛いくて
彼の頭を膝に乗せ優しく髪を撫でていると突然
「今夜はおまえの好きにしていいから…」
思わず耳を疑うような言葉が聞こえてきた
ダメだ
断片的なやり取りから彼女が一生懸命俺を介抱している様子が伝わってきて
何とか正気を取り戻そうとしてみるものの、なかなか酔いが醒めずに現実と夢を行ったり来たりするばかりで
そのうち
彼女の柔らかい胸に抱かれている感触に男の欲望だけが徐々に目を覚ましていくのを感じたが
体が言うことを聞かずいつものようには彼女を愛せそうにない
ならば、と
酔いが回ったままの頭で普段なら絶対に言わないような言葉を口にしてしまった
「おまえの好きにしていいから」
おそらく戸惑っているであろう彼女がどういう行動に出るのか予想もつかなかったが今夜はもう少し甘えていたかった
「ほんとにいいの?」
耳元に落とされた優しい囁きはおそらく幻聴だろう
「ああ」
そう返事をすると彼女は俺のジーンズのボタンを外し始めた
しかし
「ごめんなさい、やっぱり出来ない…」
今にも泣き出しそうな彼女の声に、ようやく酔いが醒め始めた
continue(次回に続きます)↓