『first kiss 1』





共学とはいえ圧倒的に女子の数が多い高校の教室では、いつも明け透けな恋愛トークが繰り広げられている


休み時間の今もわたしの隣で3人のクラスメートが


「でね、今度の彼氏はめちゃくちゃキスが上手くって性格はあんまり好きじゃないんだけど別れられないんだよねぇ」


「わかるかも、結構そっちの相性って大事だよね」


「ていうか、それ絶対キスで終わってないでしょ」


大きな声で話している内容に、聞いてるこっちの顔が赤くなってくる


と、不意にその子たちがわたしの方を一斉に向いて


「ねぇねぇ、彼ってキスは上手いの?」と話しかけてきた


へ?


彼って、彼の事だよね


「えっと、上手いとか下手とかそういうのは…」


全然考えた事がないからわからない


「もしかして、今の彼としかした事ないとか?」


「う…ん」


「わぁ、初恋なんだー」


3人がきゃーっと歓声を上げたのと同時に午後の始業のチャイムが鳴った


そう、キスなんて彼としかした事ないから上手いか下手かなんてわからな…


ん?


待って


えーっと


今までいろんな事がありすぎて忘れてたけど


あれっ?


わたしのファーストキスって


いったい、いつのどれ?





continue(次回に続きます)↓


 

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