ダブルクロス | As lagrimas que a lua derramou~月が零した涙

As lagrimas que a lua derramou~月が零した涙

版権作品にオリジナル人物を入れての二次創作小説を載せてます。
『遙か』シリーズが中心です

誰がこまどりを殺した?




それは私と雀がいいました――




                      マザーグース一遍より一部抜粋





















憂鬱な日常だった。


もう愛することなどないって


だけど




「カナエ!」




聞えた声、振り返ると同時に感じる肩の温もりに


ドキリと胸が高鳴る。


それを悟られないように、笑顔を浮かべ顔を向ける。




「おはよう。タマキくん」




「うん、おはよう」




こんなにも綺麗な笑顔を俺に見せてくれる。


それがこれほどまでにも嬉しいことはない。




「カナエ?どうした。具合が悪い?」




真っ直ぐな瞳は、俺の穢れた心すら見透かしそうで


そっと視線をそらす。




「大丈夫だよ」




「でも・・・・・」




「本当に大丈夫だから」




悲しそうな顔をしないで、俺は大丈夫だから。


だから




「あ!タマキちゃーーん」




「アラタ、おはよう」




口を開きかけたタマキくんの言葉を遮るかのように


タマキくんに飛びついてきたアラタに、タマキくんは優しく笑みを落として返事を返す。




チクリ




視線が俺からアラタに向けられた瞬間感じた胸の痛み。




「・・・・ねえねえ、今日はさー」




アラタがうれしそうに、タマキくんの腕に絡みつき話し始める。


それも俺に見せ付けるように。




判っているんだ。




アラタは俺がタマキくんに対する気持ちを


それはアラタも同じだから・・・・。






「ひっぱんなよ。一緒にいくから。ほら。カナエ」




「へ?」




「行こう」




驚きを隠せない俺をよそに、タマキくんは嬉しそうに俺の手を掴み


店に向かう。




僕は、この手の温もりを離したくないんだ。




「カナエ?」



「・・・・・なんでもないよ」




君は僕にとって初めての感情を与えてくれた人。

だからこそ、僕は・・・・






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あとがき


無料携帯ゲームから書いてみました。

BL作品を書くのは初めてなので、うまく書けているのかは疑問ですが・・。


時々載せるかも知れません。