人は必ず別れる定めなのだから | As lagrimas que a lua derramou~月が零した涙

As lagrimas que a lua derramou~月が零した涙

版権作品にオリジナル人物を入れての二次創作小説を載せてます。
『遙か』シリーズが中心です

あれから、どのくらいの季節が流れただろうか。

目の前に広がる赤い紅葉が俺を包み込んで離さない。










「幸せは、貴方の上に降り注ぎますように」







誰よりも、強くもろい玉依姫。

運命を覆す事ができると信じたあの日。


自分よりも、他人が傷つくのを悲しみ

涙を流す愛おしい姿。


そんなお前の運命を、変えたかった。


お前が俺に願う幸せは、俺もお前に願ったこと。








「珠紀・・・」








「この人たちを殺したら、私がお前たちを殺してやる!!」









倒れた俺たちをかばいながら、大声で叫んだ言の葉は

どの守護者にも力を与え。

そしてお前の守護者に選ばれて誇らしかった。

震える体で

逃げようと思えば逃げることもできたのに。

それすらせずに、お前はいつも俺たちに笑顔を見せて

暖かな気持ちを与えてくれた。



それなのに







「願うは、貴方が微笑んでいられる世界であるように」






光に包まれ、俺を抱きしめそっと触れた唇。




お前のぬくもりを感じようと抱きしめようとした瞬間

お前は光の粒になって俺の前から消えてしまった・・・。














「お前が、いないと俺はどうやって笑えばいい?」










つぶやきは森の中に消えていく
























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あとがき

誰を視点に書いたかは、読んでいる人のお好きにと言うことで。