超えてはいけないこの境界線だけは(9) | As lagrimas que a lua derramou~月が零した涙

As lagrimas que a lua derramou~月が零した涙

版権作品にオリジナル人物を入れての二次創作小説を載せてます。
『遙か』シリーズが中心です

「亮司・・・・さん」


目を開けてすぐにつぶやいた名前。

でもその名前の人物はいなくて、私を覗き込んでいるのは

血のつながった陸の心配そうな顔。


「姉さん。大丈夫?」


「う・・ん」


額に乗せられたタオルを取りながら体を起こすと

手で背を支えて起こしてくれる。

起き上がった私に、サイドボードに置かれている水を手渡された。

受け取ると、持ってきたばかりなのか冷たくて

少し熱を持った私の体を冷やしてくれる。


「ありがとう・・」


「いや・・・」


もともと口数の少ない陸。何も言わずに私を見つめているだけ。


「真緒姉さんは?」


「真緒姉さんなら――」


「起きたのかい?」


陸の言葉をさえぎり入り口から、聞こえてきた声がさえぎった。













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あとがき

本当に進みませんね・・・・。

次回は少し多く語る予定です。