「亮司・・・・さん」
目を開けてすぐにつぶやいた名前。
でもその名前の人物はいなくて、私を覗き込んでいるのは
血のつながった陸の心配そうな顔。
「姉さん。大丈夫?」
「う・・ん」
額に乗せられたタオルを取りながら体を起こすと
手で背を支えて起こしてくれる。
起き上がった私に、サイドボードに置かれている水を手渡された。
受け取ると、持ってきたばかりなのか冷たくて
少し熱を持った私の体を冷やしてくれる。
「ありがとう・・」
「いや・・・」
もともと口数の少ない陸。何も言わずに私を見つめているだけ。
「真緒姉さんは?」
「真緒姉さんなら――」
「起きたのかい?」
陸の言葉をさえぎり入り口から、聞こえてきた声がさえぎった。
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あとがき
本当に進みませんね・・・・。
次回は少し多く語る予定です。