一人じゃないよ
私がそばにいるから
あの戦いの時、お前は俺に微笑みながら言ってくれた。
だから、今度は俺がお前に告げよう。
一人じゃないから
君のそばには俺がいよう
世界が滅ぼうとも
世界を敵に回そうと
一人じゃないから
覚えておいてほしい。
お前の幸せだけを願っているから。
頼むから あきらめるな。
お前があきらめたら、世界は終わるから。
「お前が!」
はき捨てるような俺の言葉に、涙を浮かべて唇をかみ締め
うつむくお前に、これ以上俺は何も言うことができず
その場を離れた。
あんな言葉言いたくなかった。
けれど悔しかった。
あの戦いの時、誰よりもこの世のことを知らない
無垢な魂をもち、数奇な運命に翻弄されながらも前向きにいたお前の口から漏れた
「だって・・・・・」
後ろ向きな発言に、苛立ちを隠しきれなかった。
それは自分自身の弱さを、お前が悟りお前の口から告げられたような気がしていて。
「悲観ぶるのは、誰にでもできるんだよ!!」
俺がはき捨てるように告げた言葉をお前はどう感じた?
《死ぬな 諦めるな 戦え
絶対に希望はある 望みを持ち続ければ
絶望はない》
その言葉が俺を今までこの地にたたせている。
恐ろしさも不安も、すべて―――。
お前の一言が俺を救ったんだ。
珠紀・・・・・・・。
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あとがき
ようやく、緋色の欠片3~蒼黒の楔。拓磨を攻略しました。
他のキャラはまだですけど、このやりとりかなりキマした。
涙が・・・・。
本当に杉田さんのボイスにやられてしまって。思わず世界に入ったみたいになったので
書いてみました。